森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.157
BTS、m-flo、踊Foot Works……世界のポップシーンにつながる新作をピックアップ
名実ともに世界的スーパーグループになったBTSの10作目のシングルや、2017年の活動再開後に海外での活動を加速させているm-floの新作EPなど、世界のポップシーンにつながる新作をピックアップ。邦楽/洋楽という区分けが完全に無効化した現在における、もっとも魅力的なポップミュージックがここにある。
『2019 Billboard Music Awards』で<トップ・デュオ/グループ賞>と<トップ・ソーシャル・アーティスト賞>の2部門を獲得。最新アルバム『MAP OF THE SOUL:PERSONA』が86の国と地域のiTunesアルバムチャートで1位を獲得するなど名実ともに世界のスターとなったBTS。彼らの日本10thシングル『Lights/Boy With Luv』が到着した。表題曲「Lights」は日本オリジナル曲で、現在のUSのR&B、ヒップホップの潮流を汲みながら、日本のマーケットに適応させたハイブリッドな仕上がりだ。メンバー個々のボーカル、ラップの魅力を際立たせながら、“僕らはいつでも音で繋がることができる”というメッセージを込めた歌をシンプルに届けるプロダクションも見事。さらにヒット曲「Boy With Luv」「IDOL」のJapanese ver.を収録。グローバルポップの現在地を明確に示す意義深いシングルだと思う。
2017年末にオリジナルメンバーのLISAが復帰し、LISA、VERBAL、☆Taku Takahashiの3名で15年ぶりに再始動。昨年7月に全米最大のジャパン・ポップ・カルチャーの祭典『Anime Expo』に出演するなど海外での活動もめざましいm-floが、リユニオン後2作目となる新作『mortal portal e.p.』をリリース。前作『the tripod e.p.2』では“ノスタルジックと新しいトライの融合”をテーマに据えていたが、本作ではm-flo本来の独創的なプロダクションが炸裂。スピリチュアルな雰囲気のトラックと切ない恋愛ソングがひとつになった「EKTO」や、トラップの派生ジャンルである“釣りトラップ”を取り入れた「STRSTRK」など斬新にしてアップデートな楽曲によって、この先の3人のスタンスを提示している。“異次元”、“パラレルユニバーサル”を想起させる作品全体のイメージは、m-floの新たな世界観につながっているようだ。