乃木坂46 4期生は3期生を脅かす存在に? 『3人のプリンシパル』から横浜アリーナ公演への期待

 歴代のメンバーがそうであったように、4期生の『プリンシパル』でも一人一人の「変わりたい」という思いが、演技によって涙と一緒に表現されていく。彼女たちの『プリンシパル』を観劇していて強く印象に残ったのが、2幕への結果に捉われない4期生11人が団結して『プリンシパル』を乗り越えようとする気持ちだ。そう感じさせたのが結果発表で名前を呼ばれたメンバーを全員が讃えている姿。1幕のオーディションの中には矢久保による「私たちライバルだけど、友達でしょ?」という固定セリフがあるが、その言葉がそのまま彼女たちの絆として体現されている。

 12日には遠藤さくら、金川紗耶が11人全員にお揃いのミサンガを渡し、公演中に足に付けていることが早川の口から明かされた。このミサンガは『B.L.T. 2019年6月号』内の企画で、2人が原宿で購入したもの(2幕『ロミオとジュリエット』ラストに十字架が出てくることから、十字架の飾りが付いているとのこと)。「選ばれた人は落ちた人のことを、落ちた人は選ばれた人のことを絶対応援するんです」「絆が深まった気がする。もっとその絆を深めるために、キーホルダーとかみんなで同じ物を身につけられたらなと思っていたので」と金川はインタビューの中で明かしており、『プリンシパル』を経て深まった4期生の絆を感じさせる。

 『乃木坂工事中』(テレビ東京)での先輩メンバーが4期生を紹介する「4期生 売り込みショー!」、現在3週に渡り『週刊少年マガジン』の表紙を席巻している先輩メンバーと4期生によるペアグラビア、毎月4期生をゲストに迎えている久保のLINE LIVEレギュラー番組『乃木坂46・久保史緒里の乃木坂上り坂』など、徐々に先輩との共演も増えてきている中での4期生横浜アリーナ単独公演は、グループ全体を底上げする意味でも重要な公演となってくる。特に3期生にとって4期生は初めての後輩にあたり、パフォーマンス次第では焦りを感じる部分もあるだろう。

 ライブでは4thアルバム『今が思い出になるまで』収録の4期生楽曲「キスの手裏剣」初披露が期待されるほか、『お見立て会』から4期生の定番曲になりつつある「ぐるぐるカーテン」「制服のマネキン」「インフルエンサー」、『7th YEAR BIRTHDAY LIVE』で披露した「ハルジオンが咲く頃」「ないものねだり」などがセットリストの候補には挙がってくる。『プリンシパル』を乗り越え、生まれ変わった4期生が強い絆でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

関連記事