SixTONES、なにわ男子……東西ジャニーズJr.が大躍進 事務所の未来にも変化あるか

 ジャニーズJr.は、滝沢秀明、嵐、関ジャニ∞のメンバーなどが活躍していた90年代の“ジャニーズJr.黄金期”以降、あまりスポットが当たってこなかった。淡々と先輩のバックダンサーを務め、経験を積んでデビューを勝ち取ることが長らくセオリーのようになっていたのだ。では、なぜ今これだけジャニーズJr.たちが飛躍できているのだろうか。

 理由のひとつは、「Web戦略の活発化」だろう。ネットニュースへの写真掲載解禁を皮切りに、ジャニーズはWeb戦略を積極的に行なっている。特にジャニーズJr.のWebプロモーションは勢力的に行なわれており、公式YouTubeチャンネルの開設、動画サイトのリリース、ライブ配信、バーチャルアイドルなど、これまでWebでのプロモーションを一切NGとしていたとは思えないほど活発である。これまで先輩のバックダンサーや舞台などのクローズドな場所でのみの活動だったジャニーズJr.たちが、オープンなーーしかもワールドワイドな環境で活躍ができるようになったのである。人目に触れる機会も増えるし、なんといっても話題性がある。ジャニーズ事務所のセルフプロデュースとしての活動はもちろん、様々なメディアから声がかかることは想像に難くない。

 もう一つの理由は、「マネジメント体制の変化」ではないだろうか。ご存知の通り、2019年の年明け早々、滝沢秀明が株式会社ジャニーズアイランドの社長に就任した。同社は、ジャニーズJr.の育成とプロデュースをミッションの一つに掲げている。ジャニーズJr.専用のプロデュース会社が設立されたことは非常に大きな変化だ。これまでデビュー組の先輩メンバーが有志で行なっていたジャニーズJr.の育成・プロデュースを組織が担うため、活動が精力化されるのは言わずもがなである。

 現在ジャニーズJr.たちの大きな目標として「CDデビュー」が挙げられることが多い。しかし今後は体制が整ったことで、より多様な活動ができるようになるはずだ。CDだけでなく、俳優、タレント、YouTuberなど……それぞれのJr.たちに適した場所での活躍によって、デビューが認められていくのではないだろうか。これまで、ユニットを組んだものの、CDデビューできず見通しの暗さを感じていたグループもあったことだろう。志半ばでアイドルの道を諦めてきたジャニーズJr.もいた。しかし、この先そういったグループあるいはメンバーは少なくなっていくのかもしれない。同時に、ジャニーズ事務所がデビュー組タレントだけの一枚岩でなくなる未来が確実に訪れるのである。

(文=高橋梓)

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