『Flying Fish』インタビュー

FANTASTICSが語る、EXILEツアー帯同の裏側とグループの成長 「歓声や熱気は忘れられない」

 FANTASTICS from EXILE TRIBEの2ndシングル『Flying Fish』が、4月3日にリリースされる。先輩グループの数々のヒット作を手掛けたクリエイター陣を迎えた同作がまとうのは、デビューから半年足らずのニューカマーの楽曲とは思えないほどの王道感とエバーグリーンな輝きだ。一度に数百メートルも跳躍するというトビウオの如く、2作目にして完成度の高いこのシングルでブレイクを予感させるFANTASTICS。バラエティに富んだシングル収録曲について、そしてその完成度の裏側に隠されたEXILEのドームツアー『STAR OF WISH』に帯同した成果についても聞いた。(古知屋ジュン)【※インタビューの最後にサイン色紙プレゼント情報あり】

世界「10年後、20年後にもフレッシュさを感じてもらいたい」

――ニューシングルのタイトル曲「Flying Fish」は、先日公開されたMVの反響が大きいですね。

FANTASTICS from EXILE TRIBE / 「Flying Fish」 Music Video

佐藤大樹(以下、佐藤):ありがたいことにすごく評判が良いです。この曲は「新しい自分」がテーマなので、進学や就職などで新生活を始める方が多いこのシーズンにぴったりかなと。

八木勇征(以下、八木):2作目にして歌詞を(EXILEをはじめLDH所属アーティストの人気楽曲を多数手掛けている)小竹正人さんに書いていただいたので、責任やプレッシャーも感じつつレコーディングに臨みました。歌詞の一語一語からいろんな色を連想できるような“小竹マジック”が詰まっている曲なので、僕たちボーカル2人もその魅力をどう声で表現するのか、歌い回しに試行錯誤しました。

中島颯太(以下、中島):先輩方が歌ってきた小竹さんの歌詞を思い出すと、勇征くんが言うように責任やプレッシャーを感じずにはいられなくて(笑)。それに、このテンポのダンスミュージックに日本語をのせて歌うのは難しいんですよ。歌詞にどうアクセントをつけるかも2人でいろいろ試してみて、サビでは爽快感を声でも表現できるように心がけました。楽曲の構造に合わせて、ストーリー性も考慮しています。

――MVでの振付も好評でした。振付は1stシングルの『OVER DRIVE』に続けて世界さん主導ですか?

世界:はい。イントロは大樹、(瀬口)黎弥、さわなつ(澤本夏輝)が作ってくれたので、全体的にキャッチーすぎず、難しすぎず、スタイリッシュなものになるようにバランスを取りながらまとめました。この曲ではボーカルも一緒に踊ることになったため、振り入れのときから全員で練習しています。裏テーマとしては“一体感”を意識して、説明するのではなく感じてもらえるような振付にすることを心がけました。

――世界さんはブログで「歌詞に出てくるトビウオにはいろんな意味が込められていると思います」と書いていました。

世界:小竹さんから楽曲の世界観の参考として、トビウオが泳いでいる映像をいただきました。トビウオって1回で何百メートルも飛びながら泳ぐんですけど、僕らにもトビウオのように猛スピードでこの世界を泳ぎながら、アーティストとして大きくなって、いろんな場所で名前を知ってもらえるようになってほしいという、小竹さんのメッセージが込められているように感じました。それは僕たち自身の願いでもあります。10年後、20年後にこの曲のパフォーマンスを初めて見る方にも、フレッシュさを感じてもらいたいです。

――パフォーマーのみなさんは完成した振りをどう受け止めましたか?

瀬口:最初に見たときに「これはヤバいな!」と。サウンドとのマッチ感もありつつ、振り入れの瞬間からすごく気持ちよく踊れたんです。個人的には〈新たな光を浴びて 鱗は青く輝き〉の部分の動きが、今までの振りにはないインパクトがあって気に入っています。

木村慧人(以下、木村):黎弥くんがいうように全体的に踊りやすいですし、見ている方に歌詞の言葉が入っていきやすい振りだと思っていて。イントロ部分で全員が魚群みたいに一緒に動くところがあるんですけど、そこが特に評判がいいです。

堀夏喜(以下、堀):僕、思ったことをすぐ口に出しちゃうので「ヤバい!」「かっけぇー!」とか逐一言っちゃうんですけど(笑)、この曲はもう踊っていて楽しすぎたので、すごくそのクセが出ましたね。2番のサビの〈この世界は広い 進んでく道 果てなく長い〉で“広い”に合わせて腕を開く動きがあるんですけど、そこの歌詞とダンスのハマり具合がすごく気持ちいいです。

澤本:僕はアウトロの〈take me there…〉のところが好きです。MVでは横一列になってメンバー全員で踊るんですけど、踊っていて自然と笑顔になれました。たぶん、見てくれている方も思わず笑顔になっちゃうと思います。

佐藤:今までのFANTASTICSの楽曲はテンポも速いし、曲調もガシガシ攻める感じの“THEダンスチューン!”な感じだったのが、今回はある意味真逆を行っていて。どっちも楽しいんですけど、この曲は爽快そのもので、今のFANTASTICSにぴったりだと思います。

――ボーカルのお二人は、一緒に踊ってみてどう感じましたか?

中島:MV撮影では8人で踊った時に一体感を出せるように、かなり練習しました。これからもっと工夫して、ダンスでもいろんな一面が出せるように頑張りたいです。

八木:MV撮影当日はけっこう緊張もしていたんですけど、撮影を重ねる中でメンバーのみんなとも声をかけあったりしていて、僕はシンプルに「ダンスって楽しいな!」と思いました。

佐藤「王様になった気分」

――シングル収録曲の「Believe in Love」は、映画『4月の君、スピカ。』の主題歌です。大樹さんは、ご自身の主演作の主題歌にFANTASTICSが起用されるのはどんな気分でしたか?

佐藤:まあ、王様になった気分ですよね。

全員:(笑)。

佐藤:正直、主演作での主題歌は夢だったので、「こんなに早く叶うんだ!?」という驚きはありました。映画の世界観と絶妙にリンクする楽曲に仕上げていただいて、映画の中でもどんぴしゃのタイミングで流れるんですよ。試写会でひと足先に見たメンバーも「鳥肌が立った」と言ってくれて、グループに貢献できたのもよかったです。

――メンバーのみなさんは、どんな気分で役者としての大樹さんの作品をバックアップしましたか?

中島:映画主題歌を歌わせていただくのは夢でしたし、しかも大樹くんが出ている作品ということで嬉しさも倍になりました。

八木:FANTASTICS初のバラードということもあって、この曲でもいろいろ試行錯誤しながらレコーディングに臨みました。映画を観ている方、聴いてくれる方に寄り添えるような歌い方になるように、ボーカル2人でニュアンスを話し合ったりして。

中島:歌声に表情をつけることをテーマにしつつ、映画館では曲が大音量で響くので、レコーディングではフレーズの最後まで歌詞を届けられるように、語尾までしっかり歌うことを心がけました。

――「Flying Fish」もそうですが、作家陣も作詞が岡田マリアさん、作曲、編曲が春川仁志さんと、LDHファンの方々にはよく知られているクリエイターで固めています。

佐藤:岡田さんはGENERATIONSの「Love You More」など、EXILE TRIBEファンに人気の楽曲をたくさん手掛けている方なので、この曲もライブで披露するときに、会場の熱量がぐっと上がるようなイメージが湧きます。あと春川さんの曲といえばEXILEの「ただ…逢いたくて」を思い浮かべる方も多いと思うんですけど、この曲のMVを監督した大谷健太郎さんが、映画『4月の君、スピカ。』の監督さんだったりもして、いろんな縁やめぐり合わせを感じる一曲でもあります。

――「Can't Give You Up」は、ラテンのフィーリングも入ったアッパーな楽曲です。

世界:この曲ではボーカル2人が覚醒してるので要チェックですよ。

佐藤:これまでの楽曲にはないセクシーさがあって、夏の夜にぴったりだと思います。

八木:歌詞をMasaya Wadaさんという、自身でもアーティスト活動をされている方に書いていただいて、ボーカルディレクションもお願いしました。レコーディングを進めるなかで、フェイク回しから曲のグルーヴに合わせたボーカルのハメ方までいろんなことを教わって、本当に得るものが大きかったです。

中島:マイナーコードの曲なので、僕たちの声がそこにどう乗るかも考えながら取り組みました。こういうリズムの曲だと日本語で歌いながらグルーヴを出していくのが難しいんですけど、いろんな課題を乗り越えてきた成果が、この曲で出せたと思います。

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