西野カナが支持され続ける理由は“言葉のチョイス”にあり? ラブソングの変遷を辿る

西野カナ『Love Collection 2 〜pink〜』(通常盤)

 先日、自身が30歳を迎えると同時に電撃結婚した西野カナ。年明け早々には、2月の横浜アリーナ公演を最後に無期限の活動休止を発表し、こちらも大きなニュースとなっていただけに、世間の驚きもひとしおだったのではないだろうか。公式サイトに掲載されたメッセージを読んだファンからは「西野カナの結婚嬉しすぎる」「カナやんらしく幸せになってほしい」などの声が相次ぎ、SNSは祝福ムード一色に。発信者の多くが、彼女と同世代の女性だったことからも、改めて同性からの支持の高さがうかがえた。1990年代なら安室奈美恵、のちに浜崎あゆみや宇多田ヒカルが登場し、2000年代にはaikoや椎名林檎の人気が高まってきたように、時代ごとに女心を代弁すると評されるアーティストは枚挙にいとまがないが、西野カナも間違いなくその系譜に連なる歌い手のひとりと言っていいだろう。

 2008年に1stシングル『I』でメジャーデビューした西野カナ。矢継ぎ早に新曲をリリースする中で、シンディ・ローパーのジャパンツアーでオープニングアクトを務めたり、出身地でもある三重県の観光大使に就任したりと、新人アーティストらしからぬ大抜擢も注目を集めた。その人気を不動のものにしたのは、2009年から2010年にかけてリリースした『もっと…』『Dear…/MAYBE』『Best Friend』『会いたくて 会いたくて』といった一連のシングル楽曲群だろう。全てオリコンチャートで上位10位入りを果たしたほか、当時全盛だった携帯電話への配信、デジタルダウンロードにおいては圧倒的な強さを見せ、“着うた女王”の異名を持つまでに。以降、紅白歌合戦には通算9回出演、レコード大賞や有線大賞でも数多の賞を受賞し、名実ともに2010年代を代表する女性歌手としての立ち位置を確立した。

 彼女の楽曲の要となってきたのは歌詞だ。デビュー以来、ほぼすべての曲で作詞を手がけるその理由は、「自分の想いを伝えたいし、そうすることで”西野カナ自身のことを知ってもらえる”と思ったから(参照:エニーミュージック)。その言葉の通り、彼女の書く詞には、その時々の西野自身の心情をすくい取ったものも少なくない。たとえば過去10年間の活動を前半と後半に分けると、最初の5年は「もっと…」や「会いたくて 会いたくて」など失恋や遠距離恋愛などをテーマに一方通行の恋心を描いた楽曲が多い。 

西野カナ 『会いたくて 会いたくて(short ver.)』

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