新しい地図 稲垣&草なぎ&香取が伝える“3つの力” 2020年へとタスキ繋いだ『パラ駅伝』を見て

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾がパラサポのスペシャルサポーターとして、『パラ駅伝 in TOKYO 2019』に登場し、今年もランナーたちを勇気づけた。3人を中心に広がっていくパラスポーツの魅力。そして、2020年のパラリンピックへとタスキを繋いだ、笑いと感動の様子をレポートする。

雨あがりの『パラ駅伝』

提供=日本財団パラリンピックサポートセンター

 3月24日、『パラ駅伝』の会場となった東京・駒沢オリンピック公園 陸上競技場は、前日の花冷えから一転、眩しく太陽の光が降り注ぐ。開会式に参加した稲垣と香取は、昨年の『パラ駅伝』で披露した曲「雨あがりのステップ」にかけて「雨あがりの『パラ駅伝』」とコメント。

 すると、パラ駅伝サポーターであるキャイ~ンの天野ひろゆきから、「あれ、つよぽんは?」と、先ほどから草なぎが見当たらないと、ツッコまれる。実は今回、草なぎは“チーム i enjoy!”でランナーとして参加することに。香取は「本気で優勝するって!」と、四股を踏むように腰を落として、念入りにストレッチをしていた草なぎの様子を明かしていた。

 1区間2.342キロメートルを、8区間に分けてタスキを繋ぎ走る『パラ駅伝』。1区は視覚障がいランナー及び伴走者、2区は聴覚障がいランナー、3区は車いすランナー(女性)、4区は健常ランナー(男性)、5区は知的障がいランナー、6区は肢体不自由ランナー、7区は健常ランナー(女性)、そして8区は車いすランナー(男性)と、年齢も性別も障がいもすべて超えて競い合うのが醍醐味だ。

 今大会も、最年少は9歳の女の子、そして最年長は67歳の男性と、個性豊かなランナーが集結した。北は北海道から南は九州まで、さらに海外からカンボジアチームも初参加して、計18チームで優勝を争う。そこに、草なぎと人気YouTuberのフィッシャーズ、稲村亜美による“チーム i enjoy!”、そしてペナルティをはじめとした吉本興業の芸人たちによる“チームよしもと”の2チームがオープン参加する。

 ちなみにカンボジアチームには、2016年リオデジャネイロオリンピック男子マラソン カンボジア代表として出場した、猫ひろしの姿も。猫ひろしは、草なぎと共に4区を走ることになり、「にゃー!」(猫ひろし)、「にゃーお!」(草なぎ)と、両者の間で気合がみなぎる。

障がいも国境も超えたエール!

駅伝スタートの様子

 いよいよスタートの時間。稲垣の「せーの! 10、9、8……」とカウントダウンで会場がひとつになっていく。そして、「3、2、1……パーン!」。香取の号砲を合図に、一斉に走り出すランナーたち。オープン参加の“チーム i enjoy!”と“チームよしもと”のランナーは、障がいのある状況を再現して走る。“チーム i enjoy!”では、1区のシルクロード(フィッシャーズ)は極端に視野が狭くなる特殊なレンズを装着して伴走者のマサイ(フィッシャーズ)を頼りにトラックを駆け抜ける。そして2区では、ぺけたん(フィッシャーズ)が耳栓をして音が聞こえない状態にして走った。

 会場では、聴覚障がいのあるランナーを応援するために、「頑張れ(両手で握りこぶしを作って上下させる)」や、「拍手(両手を上向きに開いてキラキラさせるように振る)」といった手話のレクチャーも。次々と手話を使ってランナーにエールが送られ、走る聴覚障がいランナーも嬉しそうに手を振って応える。

 さらには、猫ひろしから「カンボジアで頑張れは“スースー!”」という説明があれば、会場から「スースー!」という掛け声も聞こえてくる。こんなふうに障がいの有無や、国の違いによって、日頃つい身構えてしまいがちなコミュニケーションの壁を、いとも簡単に、楽しく取っ払ってくれる力が『パラ駅伝』にはあるのだ。

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