アイドルの夢は終わらないーー妄想キャリブレーション、ラストライブで提示した5人の未来

 妄想キャリブレーションが、2月23日にZepp DiverCity TOKYOで開催した『妄想キャリブレーション LAST TOUR 2018/19 ~HOME~』をもって活動を終了した。

妄想キャリブレーション

 妄キャリは、2013年に秋葉原ディアステージで活動するメンバーによって結成されたアイドルグループ。メンバーの変遷を経て、胡桃沢まひる、桜野羽咲、星野にぁ、雨宮伊織、水城夢子の5名にて、グループの幕を下ろすことを決めた。

 活動終了の理由は、至って前向きだ。およそ1年に渡り開催してきた『47都道府県ツアー』が、昨年4月に終了し、その後メンバーやスタッフを交え何度も話し合いを重ねた結果、「妄想キャリブレーションとして叶えられる夢は叶えた」という判断から、メンバーが個々に次のステップへ踏み出すことを決心した(参照:妄想キャリブレーションが語る、活動終了でもブレない“前向きな気持ち”「叶えられる夢は叶った」 )。

 妄キャリと妄想族(ファンの総称)にとって、ライブという場所は“HOME”だった。全国47都道府県に加え、アジア圏やロンドンを巡る海外ツアーも行い、妄想族は全世界に点在している。ツアーを経て見つけた「旅」というコンセプトで制作された1stメジャーアルバム『妄想道中膝栗氣 ~moso traveling~』然り、やはり妄キャリにとってライブとは5人それぞれの人生のような、自身を映す鏡であったように思う。

 そう感じたのは、今回のラストライブが今までの5年間を表すと同時に、5人のこれからを示す道標になっていたからだ。セットリストは、ダブルアンコールまで含め全31曲。その中で、5曲目「ちちんぷいぷい♪」から9曲目「アンバランスアンブレラ」までのブロック、続く10曲目「夢のカケラ、愛のカタチ」から16曲目「妄想が止まらない」までのブロックはDJドリチャイこと水城“夢子”によるDJノンストップミックスだった。自身の生誕祭やツアーのオープニングアクトとして披露していたDJ。ラストライブは優に3時間を超えるボリュームとなったが、それでも妄キャリの歴史を振り返る上ではとても足りない。そこでメンバーの個性を活かしながらセットリストにぎゅっと曲を詰め込むことができるのが、DJというわけだ。1ブロック目は、メジャーシングル曲とfripSide、ClariSのカバー曲、2ブロック目はインディーズ時代の楽曲で構成されていた。特に“始まりの曲”としてスタートした「夢のカケラ、愛のカタチ」は、音源化もされていないほどの初期楽曲だ。

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