妄想キャリブレーション、東京公演で見せた“47都道府県ツアー”の意義

妄想キャリブレーション、東京公演で見せた“47都道府県ツアー”の意義

 妄想キャリブレーションが、2017年5月6日の新横浜 NEW SIDE BEACH!!を皮切りにスタートさせた47都道府県ツアー『妄想キャリブレーション47都道府県ツアー〜大声出そうぜ。MOSO MAX〜』。スタートから約1年を経た2018年4月15日、46公演目となる東京TSUTAYA O-EASTには、ツアーを経てよりたくましくなった妄想キャリブレーションの姿があった。

 会場に入ると、DJドリチャイがK-POPや妄想キャリブレーションの楽曲を巧みにつないで流しており、早くもフロアからはオイコールまで発生。それにしても、メンバーの誰かに似ている気もしたが、何者なんだ、DJドリチャイ……?

 DJの音量が落ちた瞬間に、妄想キャリブレーションのオープニングSEが流れだし、メンバーがそれぞれにソロでダンスを披露。これは東京公演で初めての試みだったという。

 冒頭は「旅は君連れ世は情け」。2018年3月14日にリリースされた妄想キャリブレーションのメジャー1stアルバム『妄想道中膝栗氣 〜moso traveling〜』のリードチューンだ。「旅は君連れ世は情け」が始まった瞬間、聞いたことがない類の圧倒的な歓声が起き、すでに45道府県を回ってきた妄想キャリブレーションとファンのエネルギーを体感させられた。メンバーのダンスやフォーメーションも全国を回ってきた安定感に満ちている。

 2016年にリリースされたメジャーデビューシングル曲「ちちんぷいぷい♪」では、Aメロからファンがコーラスを加えており、ファンによって楽曲の世界が拡大されているかのようだった。EDMならではのビルドアップでも盛りあがり続けるのは、発売当初のライブの光景とは大きく異なっている。

 最初のMCでは、ファンの歓声と奇声の区別がつかないほどで、メンバーがマイクを通しているのに自己紹介がよく聞こえない。星野にぁが「今からそんなんじゃ後半ついてこれなくなっちゃうよ!?」と言うほどだった。雨宮伊織は「去年の春から46公演目、めちゃくちゃ力をつけたので、集大成として熱いライブがしたい」と語った。

 「熱情 ’18」は、利根川貴之作詞、利根川貴之・坂和也作曲、坂和也&Wicky.Recordings編曲による楽曲。いわば、妄想キャリブレーションをインディーズ時代から支えてきた作家陣による楽曲だ。ジャジーな感覚がある楽曲に、妄想キャリブレーションのパフォーマンスの妖艶さも加わる。さらにアウトロでファンが大合唱する光景も見られた。

 そして、フォーメーションを組んだ瞬間に大歓声が起きた楽曲があった。「悲しみキャリブレーション」だ。「熱情 ’18」と同じ作家陣により2014年に制作された、妄想キャリブレーション最大のキラーチューン。それをセットリスト前半に持ってきたことには驚いた。間奏でのファンのコールは焼きつくように熱い。

 さらに、利根川貴之作詞、Dr.Usui作曲による2014年の「忘れられないクロニクル」と、インディーズ時代の楽曲が続いた。ファンによるアウトロのクラップのソリッドさには感銘すら受けた。

 MCでは、妄想キャリブレーションのメンバーが各地で見つけたものを紹介していったが、水城夢子が静岡の温泉、桜野羽咲が長崎のご当地キャラクター、星野にぁは富山のポテトチップスを挙げていく中で、胡桃沢まひるは長崎の「ユニリップ」を紹介。精神安定剤と抗インフルエンザ剤が入っているそうだ。全部乗せすぎだろ……。そして、各地の顔はめパネルで写真撮影をしてきた雨宮伊織は段ボールでできたハチ公をかぶって登場。もはや何を紹介しようとしていたのか忘れるほどの衝撃だった。

 低音が響く「アンバランスアンブレラ」から、ClariSのカバー「irony」はノンストップ。そして、2017年のシングル「桜色ダイアリー」は、妄想キャリブレーションにとっていわば復活の一曲だ。前2作がベスト10に入れなかったものの、この楽曲で妄想キャリブレーションは再びベスト10へと帰還した。フロアを幸福感が包んでいたのも気のせいではないだろう。

 MCかと思わせて、台本なしで即興劇「妄想ストーリー」を披露する一幕も。そこからシームレスに「まじでもういや」が歌われた。

 また、今回のツアーが「JOYSOUND presents」と題されているため、JOYSOUNDのカラオケを使って歌うコーナーも。雨宮伊織はいきものがかりの「青春ライン」、水城夢子は家入レオの「SHINE」、胡桃沢まひるは米津玄師の「ピースサイン」、桜野羽咲はLiSAの「シロイトイキ」、星野にぁは千綿ヒデノリの「カサブタ」を歌った。

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