妄想キャリブレーションが語る、活動終了でもブレない“前向きな気持ち”「叶えられる夢は叶った」

妄キャリ、活動終了への前向きな姿勢

 妄想キャリブレーションが、2月23日のラストライブ『妄想キャリブレーション LAST TOUR 2018/19 ~HOME~』Zepp DiverCity公演をもって、2013年から続いた約6年間の歴史に“活動終了”という形で幕を下ろす。

妄想キャリブレーション 『爆アゲ↑バンザイ!!』Music Video Short Ver.

 彼女たちにとってラストシングルとなる『爆アゲ↑バンザイ!!』は、“これが最後”ということさえも明るく吹き飛ばすような、妄キャリらしさが詰まったポップチューン。いつまでも楽しい時間をファンと共有したいという、グループのカラーが全面に出た楽曲となっている。一方、カップリング曲「帰り道」はメンバーの雨宮伊織が作曲、メンバーが作詞を担当し、これまでの活動を振り返る少し切なげな歌詞が印象的なミディアムナンバーだ。

 妄想キャリブレーションは、なぜこのタイミングで活動終了という道を選んだのか、そしてラストライブに向けた現在の心境とは。これまでの思い出を振り返りつつ、活動終了に対する率直な言葉と未来への抱負を語ってもらった。(編集部)

「取り返しがつくのかなとか、思ったりはしました」

【左から】桜野羽咲、水城夢子、星野にぁ、雨宮伊織、胡桃沢まひる

ーー活動終了が決まっての、今の率直な気持ちを教えて下さい。

胡桃沢まひる(以下、胡桃沢):実感が全くないですね。

水城夢子(以下、水城):みんなといるのが当たり前だったので、ラストライブ後の心境の想像がつかないですね。CDを出して新曲をライブでやって……っていう、そのいつもやってきたことが「もう全部ひとつひとつ最後なんだな」って思うと、大事にしなきゃなって感じます。ちょっとずつ、活動終了の実感を持ちつつはあるんですけどね。

雨宮伊織(以下、雨宮):でも活動を終了することは、去年の4月にはもう自分の中で決めていたので、悲しい気持ちはないです。アイドルはいつか終わりが来るものなので、それに向けて自分がやるべきことをやっていけば、逆にちゃんと“妄キャリができる期間”って考えられるので、自分的にはすごく集中してできています。

ーー活動終了に至った経緯を教えて貰えますか?

星野にぁ(以下、星野):『47都道府県ツアー』(『妄想キャリブレーション47都道府県ツアー〜大声出そうぜ。MOSO MAX〜』)が終わったタイミングで、集まって話し合ったんです。グループを辞めることは、自分の中では決めていました。

胡桃沢:4月に活動終了が完全に決定したわけじゃなくて、そこから今後の妄キャリをどうしていこうかっていう話し合いが何度か行われていったんです。それはスタッフさんも交えてだったり、メンバーだけだったり。何度も話し合いを重ねていくうちに「もう妄想キャリブレーションっていう形でみんなが叶えられる夢は叶ったんじゃないか」っていうことが分かってきて。それから個々のやりたいことも見つかっていったので、「じゃあ一歩踏み出してみようか」っていうことになって。だから徐々にだよね。

ーー最初に活動終了が決まった時の気持ちはどうでしたか?

星野:あまり驚かなかったですね。自分の気持ちを話したときも、みんなが結構すんなり受け入れてくれて。それは一緒に過ごして来た時間が長かったからだろうなって。家族みたいな関係性というか。「なるほどね」とか「やっぱりね」っていうわけではないんですけど。意外とすんなり受け入れられたし、受け入れられたなって。こういう結論になったのも、みんなで話し合った結果だから。

桜野羽咲(以下、桜野):驚いた時に「頭が真っ白になる」とか「膝から崩れ落ちる」とか、そういう表現があるじゃないですか。でもそういう感覚は全然なくて。『47都道府県ツアー』でみんなと一緒にいる時間がすごく長かったので、なんとなくみんなの気持ちが分かるようになったというか。「なんでそんなことを言うの!」とか「そんな気持ちでやってたの?」とかは思わなかったです。

水城:言葉にしなくても「この5人で妄キャリ」っていう認識だったと思うし、その中でどのメンバーが「次のステップに進みたい」って言っても、みんなで応援することは変わらなかったと思うから。

ーー活動終了が決まってから、これまでに心情の変化はなかったですか?

胡桃沢:う~ん。活動終了っていうことを発表する前なら、どうにかして取り返しがつくのかなとか、思ったりはしました。「活動終了って言わないってことにしたら、このまま活動続かないかな?」ってスタッフさんに言ったこともあったり。それぐらい妄キャリのことは好きなので。でも、私自身もやりたいことはあるので、みんなが“このタイミング”って思った時に終了を迎えられるのは、すごく恵まれたことだと思います。

星野:最後に向かって何ができるのかなっていうのを、1年間考えてきました。

雨宮:そうですね、最後にシングルを出せて、ツアーをやらせてもらって。自分の故郷(富山)でもライブをやらせてもらって。ラストライブも自分たちの意見を聞いて一緒に作らせてもえることは、すごく恵まれていることだなって、実感してます。最後の最後まで自分たちのやりたかったことを聞いて一緒にやって下さることにすごく感謝しています。活動終了が決まったら、そのままフェードアウトしていくアイドルグループも多いと思うので、ありがたいことだなって。

ーー活動全部を振り返っての、一番印象深かった出来事は何ですか?

桜野:メジャー5枚目のシングル『桜色ダイアリー』(表題曲はアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』エンディングテーマ)のリリースですね。ずっと見ていたアニメのエンディングテーマに決まった曲なので。夢が叶ったなって。そこから妄キャリとしての活動の幅もぐっと広がって、いろんな夢を見せてくれた曲だなって思います。

星野:そういういい思い出話の後に言うのもアレなんですけど。なんかすごい印象深い話として、本当に本当にどうしても忘れられないのは、夢子とまひるのケンカ。

(一同笑)

雨宮:長野の?

星野:そう。あれは本当に衝撃的だった(笑)。女の子が5人集まると色々あるのはあるけど、でも目に見えてのケンカっていうケンカがあったのは初めてだったから。もうバチバチにぶつかってるっていうのが。

雨宮:あれはすごかったねえ(笑)。

星野:「ケンカしてごめんね」みたいな終わりだったらいいんですけど、なんかそれだけじゃなくて、ライブのステージ裏で2人が突然抱き合いはじめて(笑)。ライブの開演15分前にどうしたんだろう? みたいな。

桜野:あれは忘れられないね!

ーー仲直りしたってことですか?

星野:いや、何か会話になってなかったよね(笑)? 思ったことを言い合ってスッキリしたのか、なんか抱き合ってて(笑)。

胡桃沢:私って初期メンバーで、かつ1番年上なんですよ。だけど、夢子が臆せずに意見を出してくれたことに、私は感動した部分があって。「言ってくれてありがとう!」ってなっちゃって(笑)。

水城:私が言い返したことに対して、まひるが「成長してくれてありがとう!」って泣きながら言ったんですよ! 気づいたら最終的に抱き合ってました(笑)。

ーーこういうことが言い合えるのも、心から打ち解けてる証拠ですよね。

胡桃沢:そうですね! あと、印象深いというか、すごく他愛のないことなんですけど、ハイエースに乗ってる時間を思い出しますね。ツアーで全国を回ってると、車での移動時間が長くて、なんかそういう日常の中でみんなと食べたサービスエリアの安いご飯とか(笑)。毎日ラーメン食べてたりとか、そういうことを一番思い出します。車内の暖房が暑いだの寒いだのでケンカしたりするんですよ。「私は寒いんだけど!」「私は暑いんだけど!」「うるさい!」って(笑)。

星野:しょうもないね(笑)。

胡桃沢:普通の友達でもなれないような深い関係になれたことは、すごく印象深いし、嬉しいことです。

雨宮:なんかそうやって言葉にできないくらいくだらないことの方が、かえって後で思い出したりするのかなって思います。

ーー雨宮さん的に具体的に印象深い場面はありますか?

雨宮:海外のファンの方が私たちがライブで来るのを待っててくれたのは嬉しかったです。自分たちってちょっと凄いのかなって。

星野:そうだね。海外の方が言葉が分からないのに一生懸命勉強してSNSで話しかけてくれたり。そこまで好きでいてくれる人たちに飛行機に乗って、何時間も掛けてようやく会えて、リアルに触れ合えたのは感動しましたね。不思議な感覚でした。

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