日向坂46、ひらがなけやきラストライブ&日向坂デビューライブで見つけた“空色の可能性”

日向坂46、デビューライブ“空色の可能性”

「今日でひらがなけやきのメンバーはいなくなるけど、私たちの心の中、皆さんの心の中で生き続けると思います、ありがとう! 以上、私たち、ひらがなけやき坂46、でした!」(佐々木久美・けやき坂46としての最後のMCより)

 日向坂46が、3月5日と6日に横浜アリーナで『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』を開催した。

 これまで、けやき坂46(以下、ひらがなけやき)として活動してきた彼女たちだが、2月11日のSHOWROOM特番で単独でのシングルリリースと、日向坂46への改名を発表。そんな背景事情もあって、この日のライブは“ひらがなけやきとしては最後の、日向坂46としては最初のライブ”という特別な公演となった。

 そもそも、ひらがなけやきは、“長濱ねる”という1人のメンバーの存在からスタートした異端のグループだった。欅坂46のオーディション最終審査まで進んでいたものの、家庭の事情で一度辞退。再び加入する際に特例措置として彼女を中心に“ひらがなけやき”が立ち上がり、オーディションで11名が加入した。ライブはそんなグループの歴史をなぞるように、長濱が過去のライブで見せた「聴いてください、『ひらがなけやき』」という曲振りVTRを経て、彼女たちの“最初の楽曲”「ひらがなけやき」がスタートした。

 ビジョンには『おもてなし会』『欅共和国』『欅坂46ワンマンライブ』といった過去のライブの映像が、会場にいる同じメンバーの顔と重ねて映し出される。MCではキャプテンの佐々木久美が「改名は皆さんと一緒のタイミングで知ったので、ご挨拶ができないままで。最後にひらがなけやきとしてのご挨拶ができればと思って、この形にしました」と今回のライブの意図を説明。その後、彼女たちの代表曲のひとつであるライブアンセム「誰よりも高く跳べ!」を披露。佐々木久美が「ひらがなけやき最後の『誰跳べ』だぞー!」と煽るなど、ライブを通して成長した姿を見せつける。学業のため休業している影山優佳や、長濱ねるのソロパートもしっかりとVTRで表現し、“12人のひらがなけやき1期生による最後の「誰跳べ!」”がエモーショナルに立ち上っていた。

 その後のVTRでは、欅坂46という壁が彼女たちに立ちはだかっていたこと、ひらがなけやきだけの魅力を探してもがいていた時期の裏側、初のワンマンライブである2017年3月21日と22日のZepp Tokyo公演と、そこで発表されたZepp全国ツアーを通して、自分たちの強みを勝ち取ったことが映し出された。VTRの最後には、同年7月6日のZepp Nagoya公演の開演前、メンバーに声をかける佐々木久美の姿が。「不安なこともあるかもしれないけど、楽しめばそれがきっと伝わるから」。ひらがなけやきの最大の魅力といっていい“ハッピーオーラ”は、このあたりからしっかりと色を帯びていった。

 その後は「僕たちは付き合っている」「永遠の白線」と続け、長濱の欅坂46専任による衝撃や、その空いた椅子を“埋めない”ことで前に進んだ「それでも歩いてる」を終えたところで、VTRは2期生加入の瞬間へ。登場した2期生は、『おもてなし会』を思い出させる乃木坂46のカバー「おいでシャンプー」を披露する。この短い期間でパフォーマンス面で大きく成長し、ひらがなけやきとしての個性をさらに増大させた彼女たちの成長を改めて実感した。

 1期生による「イマニミテイロ」を経て、楽曲は初の単独アルバム『走り出す瞬間』のパートへ。この日初めて1期2期が合同でパフォーマンスした「ひらがなで恋したい」、小坂菜緒の存在感が際立った2期生単独の「半分の記憶」、リード曲としてこの時期を駆け抜けた「期待していない自分」と、ライブの勢いはさらに増していく。

 そんななか、加藤史帆から「ひらがなけやきとしての楽曲はこれが最後になります。私たちがいつもハッピーでいられるのはみなさんのおかげです!」と“終了宣言”が飛び出し、最後に披露したのは、ひらがなけやきのコンセプトを曲名に冠した「ハッピーオーラ」。楽曲中には改名直前のタイミングでひらがなけやき3期生として加入した上村ひなのが登場。体調不良で不参加となった濱岸ひより、休業中の影山を含む21人のひらがなけやきにハッピーなお別れを告げた。

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