フレデリックの国の音楽に酔いしれるーーダブル記念日の忘れられない夜となったライブを見て

 2ndアルバム『フレデリズム2』をリリースしたフレデリックが、全国ツアー『FREDERHYTHM TOUR 2019~飄々とイマジネーション~』の一環として、2月20日と21日に東京・Zepp Tokyoでライブを開催。2DAYS公演は共にソールドアウトを果たした。1日目である2月20日は、アルバム発売日であると同時に、メンバーの双子の兄・三原健司(Vo/Gt)と弟・康司(Ba/Cho)の誕生日。ダブル記念日の忘れられない夜となった。

みんなのそういうところがキライになれない(つまり大好き)!

 「フレデリックの国を作ってやろうと思ってやってきた。いろんな1位の人がいるけど、それとは違うところで別の国を作って、コソコソやっているうち“面白いやん”って思ってくれる人が増えていけばうれしいなと思う。一つひとつが今のフレデリックにとって大事で、新しいこともやりながら、昔のことも忘れずどんどん進化していく、それが俺たちの国。そういう音楽を目指して作りました」と、アルバム『フレデリズム2』について説明した健司。ライブは、そんなアルバムの収録曲を中心に構成されていた。

 ファンキーなギターカッティングで始まる「シンセンス」は、ファルセットのサビメロが高揚感をさらに引き上げてくれる。ラップ調のDメロも、いい味付けになっていた。間髪入れずなだれ込んだ「かなしいうれしい」では、歌詞に合わせて真っ赤なライトがステージを包みこむ。続く「TOGENKYO」は、どこか大陸的な雰囲気を感じさせるイントロのギターが印象的だ。立錐の余地もないほどの会場で観客たちは、この日をずっと待ちわびていたといった雰囲気で、1曲目から手を挙げ、身体を揺らしながらクラップ。日頃の嫌なこともかなしいこともすべて忘れ、まるでフレデリックの国の音楽に酔いしれて、踊りに明け暮れるようにライブを楽しんでいた。

 中盤のMCで、当日が三原兄弟の誕生日であったことに話がおよぶと、会場にバースデーソングの合唱が響き渡る。「ありがとう。三原兄弟は29歳になりました。会場入りしたときもスタッフさんから祝っていただいて、みんなに愛されてここまでやってこられたと実感します」と、感謝の気持ちを表した健司。康司もまた、サプライズでバースデーソングを歌ってくれたファンに「誕生日になると、俺は何のために生まれたのか考えるんですけど、まさしくこういう日のために生まれたんだと思います。むしろ、みんなが生まれてくれてありがとうと言いたいです」と、うれしそうな表情で伝えた。

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