『デート・ア・ライブ』特別対談

sweet ARMS×坂部剛『デート・ア・ライブ』音楽で描く絆の物語「士道と精霊の距離が近づいてる」

 2013年の放送開始以降、「大災害“空間震”がもたらす危機を救うため、精霊をデートでデレさせる」という斬新なコンセプトと魅力的なキャラクターで人気を博してきたTVアニメ『デート・ア・ライブ』シリーズ。その約3年半ぶりの最新作となる『デート・ア・ライブⅢ』の放送がスタートし、これまでシリーズの楽曲を数多く担当してきた声優ユニット・sweet ARMSが再集結を果たした。

I swear / sweet ARMS

 今回のオープニングテーマ「I swear」では、初期から彼女たちの『デート・ア・ライブ』シリーズの楽曲のほとんどを担当し、同時に作品の劇伴も手掛けてきた坂部剛が作曲/編曲を担当。シリーズの黄金タッグと言えるメンバーで、これまでの歴史を踏まえつつ、同時に新章へと向かう作品の魅力が凝縮された楽曲を完成させている。sweet ARMSの4人と坂部剛に、『デート・ア・ライブ』シリーズの魅力や、新曲「I swear」の制作過程を聞いた。(杉山仁)

「ただ可愛い女の子が出てくるハーレムものではない」

――『デート・ア・ライブⅢ』は、『デート・ア・ライブ』シリーズのアニメ作品にとって2015年の劇場版以来約3年ぶりの最新作となりますが、シリーズ4作目が制作されるというのはすごいことですね。sweet ARMSのみなさんは、1月に『FANTASIA ANNIVERSARY LIVE 2019』で久々のパフォーマンスも披露していました。

佐土原かおり(以下、佐土原):約3年ぶりのステージだったんですけど、まずは何も変わっていなかったことが印象的でした。「懐かしいな」というよりも、「ああ、こうだったなぁ」という感覚で、その場の空気も含めてすごく楽しかったです。

味里:最初は私たちのことを待っていてくれているのか不安な部分もあったんですけど、実際にステージに出てみると、みなさんウェルカム状態で。「出てきた瞬間に泣きました」と言ってくださっている方もいて、とても嬉しかったです。

富樫美鈴(以下、富樫):久しぶりにみなさんの前でパフォーマンスするということで、私も最初はとても緊張しました。でも、「いつもそうだったな」と思うんですけど、ステージではファンの方に引き上げてもらうような感覚があるんです。それもとてもありがたいことでした。

――みなさん自身は、『デート・ア・ライブ』が長く愛されている理由はどんなところにあると思っていますか?

佐土原:『デート・ア・ライブ』はキャラクターがみんな可愛くて、魅力的で、でもそれぞれに心に何か抱えているものがあって……。ただ可愛い女の子がたくさん出てくるハーレムものではないところが魅力的ですよね。

富樫:可愛い女の子たちとの日常パートがある一方で、精霊の光と闇の部分も描かれていますし、戦闘もあるし、ギャグもあるという(笑)。「なんて贅沢な作品なんだ!」と思います。

野水伊織(以下、野水):原作者の橘(公司)先生も「こういう子がいいと思っていたヒロインを並べました」とおっしゃっていましたけど、「ツインテールの(五河)琴里ちゃんが好き」とか、「ロリだったら(自身が声を担当する)四糸乃かな」とか、みなさん好きなキャラクターが色々とあるはずで。でも、その中でどのキャラにも人間くさい部分があって、その精霊ならではの悩みって、観てくれる方の普段の悩みにも繋がる部分があると思うんです。主人公の(五河)士道くんだって、四糸乃には「ラッキースケベ」と言われていますけど(笑)、実はみんなのことをすごく考えていますよね。その上で、少し切ないストーリーが根底にあることで、観てくれる方々も色々と考えられる部分があるのかな、と思います。

坂部剛(以下、坂部):ひとつの作品の中に色々な要素が詰まっていて、可愛い女の子もいれば、シリアスなところもあって、時にはすごくバカバカしかったりもする(笑)。やっぱり、僕もそれが『デート・ア・ライブ』の魅力なんだと思います。

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