稲垣&香取&草なぎ、新しい地図の航海はまだまだ続くーー初のファンミで深めた“NAKAMA”との絆

新しい地図、ファンミで深めた絆

 もちろん楽曲パフォーマンスにも手を抜かない。ソロ曲や2人曲、3人曲を行き来しながら、会場の熱気がどんどん上昇していくのを感じた。歌詞が彼らの今現在の境遇を表すような瞬間にハッとさせられたり、幕間で流される映像も彼らのこれまでの足跡を辿っているようでドラマチック。単なる楽しさだけではなく、彼らが積み重ねてきたこれまでの地道な努力や、どのような状況に今置かれているのかをほんのりと感じさせてくれるようなイベントだ。

 公演を通しての世界観にも舌を巻く。方位磁針を模した彼らのロゴが示すように、序盤の曲中に照明の色が青や白を基調とした配色なのがどこか”海”や”空”を想起させる。ダンサーの身を包む白い衣装は船乗りの制服のようで、彼らが今まさに”航海”の途中かのような趣だ。そして何より終盤で披露された楽曲の豪華絢爛な演出に、彼らの目指している”目的地”があるような気がした。

 香取が「ナカマトミーティングー!」と思いっきり叫べばファンもそれに答えるようにして大歓声が起き、草なぎや稲垣もまるでフレッシュな新人アイドルかのように振舞う姿を見せて笑いと拍手が起きる。センターステージへ繋がる花道を3人が歩けば会場全体が湧き、彼らが生粋のエンターテイナーであることを再確認させられた。

 筆者が参加したこの日の夜公演は、約70%がお一人様NAKAMAシート(1名で参加する人用のエリア)であったそうだが、個々人が新しい地図を介して繋がろうという発想がこのイベントにはある。それゆえか会場のムードはどこか和やかでリラックスムード。心なしか客席には一体感があった。また、様々なミュージシャンによる記名性の高い持ち曲の数々も、彼らを支える人々の多さを思わせる。

 この『NAKAMA to MEETING』はまだ始まったばかり。もちろん彼らの活動もこれでやっと本格始動といった感がある。まだまだ謎に包まれている新しい地図の活動ではあるが、だからこそ、3人の動向から目が離せない。今回のファンミーティングを機に“NAKAMA”との絆を深め、より密になった関係を携えながら、彼らは道なき道を行くのだろう。

(写真= 宮脇進)

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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