『東方神起 LIVE TOUR 2018 ~TOMORROW~』東京ドーム公演レポート

東方神起はファンと共に“新たな一歩”を踏み出した パフォーマンスを更新し続ける飽くなき挑戦心

「ここにいるみなさんが、無条件で信じられる仲間です」(ユンホ)

「東方神起の姿で歌でステージで、みなさんを喜ばせたり泣かせたいです」(チャンミン)

 再始動から約1年。東方神起の辞書には“現状維持”の言葉はないようだ。オリジナルアルバム『TOMORROW』を引っさげ、9月からスタートした全国ツアー『東方神起 LIVE TOUR 2018 ~TOMORROW~』は、新たにホーンセクションや女性ダンサーを起用するなど、さらなるパワーアップを目指した仕上がりに。その飽くなき挑戦を可能にしているのは、彼らを温かく見守るファンの存在に他ならない。〈君が見てるから/僕は歌うんだ〉とは、ふたりがラストに歌った「Weep」の歌詞だ。東方神起の新たな一歩を感じることができた、気迫のライブを振り返りたい。(取材日:2018年12月12日/東京ドーム公演)

東方神起は愛を届けるMr.TOMORROWに

 今回のライブで、まず新しさを感じたのがVTRの使い方だ。開演時間と同時にスクリーンに映し出されたVTRでは、“Mr.TOMORROW”と名乗る義賊のストーリーが紡がれる。赤と青、それぞれの部屋で眠りから覚めたふたりの人物。その顔は明かされないが、鍛えられた腹筋、背筋、胸筋から、ユンホとチャンミンであることは明らか。神出鬼没なMr.TOMORROWが次はどこに現れるのか……と、ドキドキしているとメインステージにスポットライトが差し込み、ふたりのシルエットが浮かび上がる。

 聞こえてきたのは〈未知の向こうへ〉と、高らかに歌う「Yippie Ki Yay」だ。ロングの黒いナポレオンジャケットを翻し、階段を降りてくる威風堂々とした佇まい、サビのキレキレのダンスと、メリハリのあるパフォーマンスで観客を魅了していくふたり。黒地に白のサイドラインが入ったボトムスが、細かい足さばきを強調する。いつもながら、つま先まで神経が行き届いた、華やかなステップに惚れ惚れしてしまう。

 お互いの手をガッチリと取り、肩と肩を合わせて気合を確かめるふたり。勢いそのままに2曲目の「Showtime」へ。〈Bounce bounce……〉の歌詞に合わせて、激しく動くセクシーな腰振りに観客も大興奮。そして一気に会場のボルテージを上げたと思いきや、ふたりは再びスクリーンの向こう側へと消えてしまった。その様は、まさにMr.TOMORROWのようだ。

 VTRでは、Mr.TOMORROWが様々な形の愛を届ける。経営難に陥った慈善施設にはお金を、子どもたちにはワクワクするような新しい世界を、想い合う男女には距離を縮めるきっかけを、そしてファンには東方神起のショーを……。マフィアと闘うヒーロー、宅配業者、バーテンダーなど姿を変えて私たちを楽しませてくれるが、やはりふたりには“東方神起”というスーパースターの姿がよく似合う。

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