kolmeの音楽的探求心が生む、固定概念に捉われない作品「3人のグルーヴ感を忘れずにいたい」

kolmeが語る、音楽的探求心

「サブスクのプレイリストをみんなで共有してる」

ーー「The liar」はMVもすごく良かったです。MIMORIさんはドクターペッパーをめちゃくちゃたくさん飲んでましたね。あんな感じで曲を作ってるんですか?

MIMORI:普段の生活あのままです。日によっては、ドクターペッパーがコーラやお酒に変わります(笑)。

ーー楽曲作りに関してはMIMORIさんが主導権を握っているのかなと思いますが、その過程でお二人とはどういうやり取りがあるんですか?

KOUMI:あがってきた曲に対して、「もっとサビまでの展開はこういう流れの方がいいと思う」というようなコメントをしながらより良いものにしていくことが多いです。

MIMORI:今回のアルバムでも、ボイスメモで録ったメロディを聴いてもらった後にRUUNAから「……これ、微妙じゃない?」と言われたりもしました(笑)。

kolme / Why not me

ーーそんなぶっちゃけた感じで言い合ってるんですね(笑)。

RUUNA:信頼関係があるからこそです(笑)。

KOUMI:あとは出てきたものに対するコメントだけじゃなくて、曲を作るとなったときにそれぞれが最近どんな音楽を聴いてどういう感じのものが好きか、どんなことをやりたいかを話し合ったりもします。

RUUNA:メンバー個人個人のサブスクリプションのプレイリストを、スタッフさんも含めてみんなで共有してるんですよ。

ーーおお、なるほど。

RUUNA:だから集まって話し合わない時でも、それを見ると「あ、この人はこんな新譜をチェックしてるんだな」「今こういうモードなのか」というのがわかります。

MIMORI:気に入った曲があったら家でメイクしているときに流して「これいいね、誰の曲?」みたいな話をよくしてますね。

ーーその辺は3人で一緒に住んでいるからこそですね。

MIMORI:それぞれの部屋でかけてる音楽も聴こえてくるんですよね(笑)。壁越しにいい曲だなと思ったら、次の日に「昨日何聴いてたの?」って聞いたりしてます。

ーー音楽に関するコミュニケーションを日常的にとっているわけですね。過去作ではもう少し前面に出ていたEDMっぽいテイストが今回のアルバムではわりと後退していた印象があって、日頃聴いている音楽のモードが作品にも反映されているのかなと思いました。

MIMORI:2015年とか2016年頃だとそれこそAviciiとかも研究しながらプリプロをやってたんですけど、最近はそういうのよりもR&Bやヒップホップとかを意識する方が多いですね。それは自分の好みによるところもありますし、あとはさっきKOUMIも話していた「ダンスのステップが映える」という観点から曲の雰囲気を考えているというのもあります。前よりも技術がついてきて、勢いで踊るだけでなくいろいろなことができるようになってきたので。

ーー具体的なディティール、楽器の使い方とか組み合わせとかでもほかのアーティストの作品からインスパイアされたりするんですか?

MIMORI:どうだろう……「インスパイア」という意味では、Instagramの「beatmaking」ってハッシュタグを見ていろいろ考えたりすることが多いですね。外国人の子どもがアナログシンセを弾いているの見て「めっちゃ楽しそう!」と思って、アレンジャーさんにも伝えたら「持っているからあげるよ」と言われてゲットしたりとか(笑)。プロじゃない方が遊びとしてアップしているものでも発見がすごくたくさんあります。自分でもそろそろアップしてみたいな、と思っているところです。

ーーちなみに先ほどの「プレイリスト」という話に関連してなんですが、ちょうど2019年になったばかりということで、2018年に特に聴いていた音楽、もしくはチェックしていたアーティストを挙げていただきたいです。

3人:えー! なんだろうな……(少し悩む)。

MIMORI:私が要チェックしていたのは20sylです。彼のいるHocus Pocusだけじゃなくて、コライトしている曲とかも含めて全部チェックするようにしていました。

KOUMI:20sylはいいよね。私も彼が関わっているAllttAをよく聴いています。去年特に印象に残ったのは、Kehlaniの来日公演です。MIMORIと一緒に行ってきたんですけど……。

MIMORI:よかったよね!

KOUMI:歌声がすごくきれいなんですけど、それ以上に「立ってるだけで生きてる」って感じで(笑)。そんなに年も離れていないんですけど、「女性としての憧れの存在を見つけた!」と思いました。

RUUNA:私はSHISHAMOをよく聴いてました。

KOUMI:音楽の好みもみんな違うんですよね。私とMIMORIは洋楽が多くて、RUUNAはJ-POP寄り。

RUUNA:私は日本の音楽を聴くのがほとんどなんですけど、バンドものはそこまでたくさん聴いたことはありませんでした。SHISHAMOを聴くようになったきっかけは、MIMORIから「歌う時の息の使い方をもっと勉強したほうがいい」と言われたことなんですけど。

ーーああ、確かに宮崎(朝子)さんの歌はいいタイミングでブレスが入ってきますよね。

RUUNA:そうなんですよ。息の使い方、歌詞の色の付け方がほんとにうまいなって感動して。私は歌う時に癖で息をいっぱい吸っちゃうんですけど、ブレスの音もすごくきれいで、聴いてすぐにライブのチケットを取りました。

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