一方、ジェジュンがカバーする「Forget-me-not」は「I LOVE YOU」とは正反対の曲だと語る。

「“勿忘草”からタイトルを取った「Forget-me-not」もシングル曲ではなく、もともとアルバム『壊れた扉から』収録曲でした。尾崎さんが10代最後にレコーディングした曲と言われていて、鬼気迫るといった雰囲気。「I LOVE YOU」とは違い、リズムやメロディ関係なしに、感情の赴くまま歌った曲です。「I LOVE YOU」や「シェリー」が収められたライブアルバム『LAST TEENAGE APPEARANCE TOUR』にも収録されず、知る人ぞ知る曲でした。映画『LOVE SONG』で使われ再評価、知名度を一気に上げたように思います」

　そんな「Forget-me-not」を歌うジェジュンの歌声について、彼に詳しいライターの西門香央里氏に話を聞くと、次のように今夜のパフォーマンスに期待を寄せる。

「今年のホールツアー『JAEJOONG Hall Live Tour 2018 ~SECRET ROAD~』はカバー曲をメインに披露していて、「Forget-me-not」もその1曲でした。ジェジュンは尾崎さんとは声質も歌い方も異なるので、尾崎さんの曲をそのままカバーするのではなく、尾崎さんをベースにしながらもより叙情的に歌うのではないでしょうか。彼がこの曲を選んだ理由や尾崎さんへの思いも、番組で話してくれることを楽しみにしたいです。ジェジュンは声にしっかりと思いを込めて歌うアーティストなので、今回も感情豊かに歌ってくれると思います。最近ではバラエティ含め様々な番組に出演していますが、今回のカバーで“尾崎豊世代”の視聴者にもアプローチできるのでは。今年はアーティストとしてもタレントとしても非常に勢力的に活動していた1年でした。今回の『FNS』のパフォーマンスは一つの集大成となるかもしれませんね」

　シンガーとして異なる魅力を持つToshIとジェジュン。それぞれの個性を生かしながら、尾崎豊ファンをも魅了するカバーを披露してくれることだろう。

（文＝村上夏菜）