欅坂46、“21人の絆”という呪縛から解放? けやき坂とのコラボから見えたグループの未来図

 欅坂46(以下、漢字欅)とけやき坂46(以下、ひらがなけやき)が、11月15日に生放送された『ベストヒット歌謡祭2018』(読売テレビ・日本テレビ系)でテレビ初コラボを果たした。直前まで情報がシークレットにされていた今回のコラボでは、漢字欅4人の穴をひらがなけやき4人が埋めるという構図で「アンビバレント」を披露。見事なパフォーマンスを見せ、漢字欅とひらがなけやきの未来図や、本来ならこうなっていたかも? といった、様々な可能性を感じさせる実験的で貴重なコラボとなった印象だ。

欅坂46『アンビバレント』初回仕様限定盤(TYPE-A)

 『ベストヒット歌謡祭2018』当日、初の坂道合同の舞台である『ザンビ』のゲネプロが東京にて行われていたため、漢字欅のキャプテン・菅井友香、副キャプテン・守屋茜、「アンビバレント」のフロントを務める小林由依と土生瑞穂といった要となる4名が欠席せざるを得ない状況になっていた。そのため、代役としてひらがなけやきから佐々木久美、高本彩花、東村芽依、渡邉美穂の4人が出演。

 本番では、平手友梨奈をセンターに『ザンビ』組の空いたポジションに同じ衣装のひらがなけやきの4人が入り、「アンビバレント」をパフォーマンス。“禁断のコラボ”と称されながらも、やはりひらがなけやきはヘルプ的な役割だったが、4人は気合いの入ったキレのあるダンスで、ひらがなけやき代表としてのプライドを見せつつ、フロントという目立つポジションでも漢字欅が築き上げてきた世界観を壊さない活躍ぶりを見せた。あくまでコラボという同等を意味する言葉が使われたことで、ひらがなけやきが築いてきたブランドも保たれたように思う。

 同番組の裏配信番組『ベストヒット歌謡祭 トレンディエンジェルの裏配信だぞ!』で、佐々木久美は「(練習を)めちゃめちゃしました。私たちひらがなけやきと漢字さんは全然テイストが違って、すごく難しくて速くて細かいダンスをやられているので。それを一から振り入れをしてやったんですけど、難しかったです」とコメント。後日『ゆうがたパラダイス』(NHK-FM)で舞台裏を語った石森虹花と小池美波は、一緒に合わせたのは2時間ぐらいだけだったと振り返り、ひらがなけやきが難しい「アンビバレント」を短い時間で完成させてきたことに驚いたと明かしている。石森虹花はひらがなけやきが「1日ちょっとでクオリティをボーンって持ってきて」と語り、小池美波と共に「私たちもいい刺激もらって、パフォーマンスは断トツによかったと思います」とひらがなけやきをベタ褒めしていた。

 以前放送された『開幕直前Bリーグ!けやき坂46のプロバスケ大研究』(NHK BS1)で、佐々木久美と東村芽依と松田好花はチアリーダーと短期間でパフォーマンスを完成させる企画に挑戦し、見事にキレのあるチアダンスを披露。彼女たちのポテンシャルの高さに周囲を驚かせていたが、欠員が出たから誰もが代替できるわけではなく、このレベルだからこそできるのだ。そこが重要である。

関連記事