NICO Touches the Walls、『“N X A”TOUR』でつかんだ10周年の手応え ファイナル公演を見て
“ここから灼熱の後半戦”という光村の言葉に続く「SHOW」以降は、『OYSTER -EP-』『TWISTER -EP-』からの曲、つまり最新の濃いナンバーの連続だ。自由自在なメロディをハードなサウンドで聴かせる「VIBRIO VULNIFICUS」、古村のドラマチックなギターソロが映える「mujina」と、矢継ぎ早に場面が変わっていく。そして、「渦と渦」ではフロントの3人が中央に集まり、アイコンタクトでコンビネーションを確認し合う。
本編ラストは「来世で逢いましょう」。この曲は「N極とN極」の後日談といえる歌詞の内容でもあり、1曲目と呼応する形で最後に登場し、爽快なサウンドで飛ばして終了した。
アンコールにこたえて登場した4人。伸びやかな歌声を聴かせる「Ginger lily」に続き、ツアータイトルについて解説を始める光村。“「N」はNICO Touches the Walls、「X」は10、「A」はAnniversaryの略“としつつも、他にもタイトルに込められた謎をあれこれ語り始め、結局どれなのかわからないままになってしまう。
「何でもありです(笑)。みんななりに僕らの音楽に思いを馳せてくれればそれでOK。音楽の上では何をやったって自由ですから、これからもみんなと自由に音楽で遊んでいきたいと思います。10周年ということで音楽的欲求を爆発させた1年でしたけど、11周年もご期待下さい!」(光村)
アンコールのラストは、これまでの歩みとこれからの決意を込めた「天地ガエシ」。40曲目にいたるまで、意味のあるセットリストで見事に締めくくった。
音源もさることながら、今年1年でさまざまな形態のライブを行い、10周年の手ごたえを着実に掴んだNICO Touches the Walls。2019年以降も怯むことなく、ますますその力量を発揮し突き進んでくれそうだ。
(文=岡本明/写真=Atsushi Kimura)