有機酸、seeeeecun、ピコン、大沼パセリ……セルフカバーでも人気を博すボカロP

ピコン

Picon - 生活があった

 ソロユニット・ボクモスケルトンとして活動するピコン。 彼の初の殿堂入りは「ガランド」。Eveなどの人気歌い手に歌われ、YouTubeでの再生回数は99万回を突破している。アンビエント風な柔らかなピアノなどのシンプルなサウンドに、物憂げな歌詞を乗せた楽曲が非常にシックだ。この楽曲構成は、実は洋楽からの影響も受けており、「ガランド」のアレンジ時には、Electric Guestの「Oh Devil」を聴いたそう(参考:ピコンTwitter)。今後、より洋楽テイストの楽曲が誕生するのか、彼なりのアレンジに注目だ。

大沼パセリ

Corruption/大沼パセリ

 11月8日には「Corruption」初音ミク歌唱ver.が100万回再生を突破した大沼パセリ。楽曲の特徴としては、ダンサンブルでEDM調にアレンジの効いたサウンドであることだ。主な使用ボーカロイドは初音ミクだったが、過激なロックテイストの楽曲を呈するようになってからは、v flowerの使用も増加。11月1日には、羽生まゐご、Misumiと共にDJとして『WEIRD』に出演した。さらに11月18日には『「memento mori」e.p.』をリリースする。ますます前進していきそうなボカロPである。

 自作曲をセルフカバーするボカロPや、カバーするのみならず作詞・作曲を手がけるようになる歌い手など、異才も存在するため、ボカロシーンは侮れない。既存のシーンに斬新なアイデアを叩き込むのが、ボカロシーンの役割になってくるのかもしれない。今後、さらなるマルチクリエイターへと覚醒するアーティストによって、音楽シーンに予想だにしないストーリーが展開されることに期待したい。

■小町 碧音
1991年生まれ。歌い手、邦楽ロックを得意とする音楽メインのフリーライ
ター。高校生の頃から気になったアーティストのライブにはよく足を運んでます。『Real
Sound』『BASS ON TOP』『UtaTen』などに寄稿。
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