X JAPANは今もドラマを更新し続けるーー“無観客ライブ”決行した一夜を振り返る

X JAPAN、“無観客ライブ”を振り返る

 ライブが終わってから数日後、YOSHIKIは「エージェントが米国のため、そことの連絡、日本の主催者及び日米の弁護士と開催有無の話し合い、放映権の交渉、サウンドチェック、リハ、ファンの方々への対応、メンバーミーティング等」と、この中止を決断するまでがいかに大変だったかを自身のInstagramで明かしている。

 「あーなんか映画になりそう。思い出したくないけど 。(笑)」の言葉どおり、こんなにもドラマチックな出来事はそうそうない。MCでも「普通は七転び八起きだけど、X JAPANは1700転び1800起き」と冗談交じりに語られたが、ハプニングが起きても絶対にそのままでは終わらせないのがX JAPANなのだ。だからこそ“伝説のバンド”は過去のものにならず、今もドラマを更新し続けながら今日に至るわけだ。

 この、ほんの数時間にわたる出来事だけでも、ほかのバンドには真似できない行動力と説得力があることが理解できたはず。改めて誰も敵わない“バケモノ”だなと実感したと同時に、2018年になってもこうして彼らとドラマを共有できる幸せを噛み締めた一夜だった。

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

(メイン写真=Yoshiki Instagram

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる