『MIMORI SUZUKO 5th Anniversary Live 「five tones」』横浜公演レポート
三森すずこの“奇跡のストーリー”は続いていく 感謝の想いで溢れた5周年記念ライブ
そこから、勇敢で凛々しい三森が顔を見せる。作詞・作編曲を志倉千代丸が担当した「革命のマスカレード」では、真紅のロングドレスを纏い、楽曲の題材であるジャンヌ・ダルクを思わせるような力強い歌声を響かせた。
続く「比翼の鳥」は、プロデュースを担当したHISASHI(GLAY)が、自身の地元である北海道・函館の曇天から着想を得た楽曲。彼の代名詞ともいえる、フェイザーを掛けたギターエフェクトが特徴的だ。また、GLAYが2004年に発表した「coyote, colored darkness」のように、サビではコーラスとボーカルを交互に繰り返され、陰鬱なもどかしさを振り払うように三森もシャウト。どちらも担当作家の顔が頭に浮かんできそうなほど、色濃い世界観の楽曲だ。しかし、それでもステージ上の三森らしさが失われなかったのは、勇猛な作風の「Light for Knight」や「Xenotopia」をこれまで歌い込んできたのを踏まえれば納得がいく。
本編終盤には、スペシャルゲストとして太田雅友が登場。「会いたいよ...会いたいよ!」へのアンサーソングとして、畑亜貴と太田が再びタッグを組んだ「SAKURA dreamers」を演奏した。そこから、TVアニメ『ラブライブ!』にて、三森が声を吹き込んだ園田海未に宛てる「WONDER FLIGHT」と、ファンへの想いを初の作詞で言葉にした「スマイリウム」を歌唱。ここでは、5年前にソロ活動をはじめた彼女自身、長らく苦楽を共にした盟友とも呼べるキャラクター、そして大切なファンに対して、愛情溢れる歌声で深い感謝を届ける姿が印象的だった。
アンコールのスタートナンバー「TINY TRAIN TOUR」では、ダンサーを交えたロールダンスを笑顔で披露。間奏では、ライブ開催地である“横浜”と彼女の代表作『探偵オペラ ミルキィホームズ』シリーズの舞台“偵都ヨコハマ”に絡めてか、『探偵歌劇 ミルキィホームズ TD』の主題歌「ミルキィ A GO GO」の振り付けを覗かせるなど、ユニークさとサプライズに溢れる一幕だった。
そして三森は、自身の活動を支える制作チームに対し、「(ソロ活動をはじめる前の)がむしゃらに『何かになろう』という姿を見つけてくれたんだと思うと、まずは大好きなみもりんチームのみんなに『ありがとう』を伝えたいです」とコメント。ファンに向けても、「小さい頃にはワガママで、『自分が輝けばいい』と思っていた時代もあったけど、こうして大人になって、人のことを考えられるようになりました。みんなにもっと楽しんでほしいし、『三森すずこを応援しててよかった』と自慢できるような人になりたいです」と目を潤ませながらに語った。
この日のラストナンバーは、そんなソロ活動の原点である「会いたいよ...会いたいよ!」。「私の夢は、みんなを“見たことのない世界”へ連れて行くこと」という彼女の言葉を借りれば、この曲もまた新たな“出会いの扉”として、さらに多くのファンを惹き寄せるきっかけとなるはずだ。三森すずこが織りなす“奇跡のストーリー”はこれからも続いていくだろう。
(取材・文=青木皓太)
■セットリスト
1.ミライスタート
2.Happy Lucky Life!!
3.Colorful Girl
4.ドキドキトキドキトキメキス♡
5.純情Da DanDan
6.恋はイリュージョン
7.海と空のヒミツ
8.サキワフハナ
9.エガオノキミヘ
10.My First Lesson
11.アレコレ
12.革命のマスカレード
13.比翼の鳥
14.Light for Knight
15.Xenotopia
16.SAKURA dreamers
17.WONDER FLIGHT
18.スマイリウム
19.ユニバーページ
EN1.TINY TRAIN TOUR
EN2.夢飛行
EN3.ちいさな手と観覧車
EN4.会いたいよ...会いたいよ!
■関連リンク
三森すずこ オフィシャルサイト