シド、『暴れ曲限定LIVE』で見せた“刺激”と“興奮” 燃え尽き感100%のステージを振り返る
『SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018』と題して全国各地で開催されてきたシドの全国ライブハウスツアーのファイナル公演(追加公演は6月27、28日に豊洲PIT)が6月16日にZepp Tokyoで行われた。
今回は公演ごとに“ファン投票LIVE”、“昭和歌謡曲限定LIVE”、“インディーズ曲限定LIVE”などテーマが設けられて開催されたツアーだったが、この日は“暴れ曲限定LIVE”。
ハンドクラップの中、配信されることが後に決定したライブSE「Colors」をバックにゆうや(Dr)から順にメンバーが登場。最後にステージに姿を現したマオ(Vo)は「今日はぶっ飛ばしていくぞ」と言わんばかりの戦闘態勢だ。
オープニングはフロアにいっせいに拳が上がった初期から演奏されているナンバー「dummy」だ。イントロで明希(Ba)が「行くぞ!」とばかりに右手を掲げ、Shinji(Gt)が前に出てアグレッシヴにギターを弾きまくり、マオもお立ち台から下りて最前のファンが手を差し出すステージ先端へ。
ひとことで言えば、この日のライブは刺激強めのシドだ。
インディーズ時代の1stアルバム『憐哀 -レンアイ-』収録曲のシャッフルナンバー「隣人」ではマオがエロティックなパフォーマンスでペットボトルの水を撒き散らし、場内がエキサイト。シドもやる気なら、オーディエンスも最初から騒ぐ気満々だ。〈あざといキスはいらない 服従を命じよう〉と歌う「ENAMEL」ではヘドバン続出。エッジの立ったパワフルな演奏が時間を忘れさせていく。
「一緒にぶっ壊れていこう! オマエら、どうせ俺がいなきゃダメなんだろ?」とマオが煽り、ゆうやのタイトなドラミングとShinjiのギターリフが印象的な最新アルバム『NOMAD』収録曲のセクシーで熱いナンバー「XYZ」へ。イントロでマオがジャンプをキメた「Re:Dreamer」では明希が太いベースを鳴らし、Hiコールの中、照明が明るくなる。開放感たっぷりのメロディとサウンドにメンバーからもフロアからも笑顔がこぼれた。
“暴れ曲“と言えども、シドの守備範囲は広い。ファンキーな「MUSIC」では、楽器陣のテクニカルなアンサンブルも聴きどころ。複雑なリズムを涼しげな顔で叩くゆうや、Shinjiのカッティングに明希のスラップが絡みつき、マオの色気のある声が彩りを与えていく。
「東京! 盛り上がってんな。ようこそ、暴れ曲限定ライブへ! さっきからフロアのみんながとっても楽しそうで飛び込んじゃいたい気分です。まだ序の口だよね。追加公演の豊洲があるけれど、今日はツアーファイナルですよ。ファイナルであり、暴れ納めです。次、いつこんなことやるかわかんないよ! 何が言いたいかわかる? 悔い残すなよ!」
明希が煽ってのメンバー紹介では、Shinjiが汗で濡れた白いシャツを見て「シースルーのシャツ着た覚えないんですけどね」と沸かせ、「すごいパワーもらっちゃったので、ここから倍返しだぞ!」と煽る。ゆうやは「最後の暴れ曲限定ライブですよ。しっかり準備してきましたか?」と問いかけ、返ってきた大歓声に「ってことはやれるってことだね。よし。やってやろう!」と宣言。続けて「うちの大将、紹介します」とマオを紹介した。
「じゃあ、ここからは俺たち、ねっとりと絡まっていこうと思います。もっともっとみんなと気持ちいい関係になりたいから」