PrizmaXが見せた“レベルアップ”した姿 充実度の高いステージ展開した『LEVEL 7』最終公演

PrizmaXが見せたレベルアップした姿

 元々高い歌唱力を誇るウィンは、中盤のアコースティックコーナーを中心にメロウなハイトーンでホリックたちを魅了。多忙なスケジュールを縫ってリハにも励んでいたそうで、バックダンサーたちともしっかり呼応するパフォーマンスを見せていた。かつて「人に聴かせるほど上手くないので」と語っていたギターをこのツアーでは手にし、自らが作曲した“泣き歌”バラードといえる「春空」を、ティムと情感たっぷりに披露。そこからのポップなサマーソング「HUG&KISS」への表情を含めたスイッチングは、“さすが役者!(メンバー全員そうなのだが)”と感じさせるレベルのものだった。さらに「夢唄」での「俺はガンダムで行く! ……でも今は、君の夢の中に行ってもいいかな?」という、サービス精神いっぱいの曲振りでも“レディプレ新規”のホリックたちを喜ばせていた。

 そのウィンと、あうんの呼吸でじっくりとツインボーカルを聴かせたのがティム。「Never(Dance ver.)」では生まれ変わった曲に合わせるように、新たな歌い回しやフェイクの入れ方にチャレンジするなど、着実なレベルアップを見せていた。また彼のルーツであるロックテイストの強いナンバー「REBORN」などでも感じたが、無駄のないムーブをはじめ、このツアーでいちダンサーとしてさらにパフォーマンスに磨きをかけた感があり、そんなところにもリーダーとしての貫禄を感じずにはいられなかった。

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 緩急に富んだステージの中でも「カフェオレ」「Three Things」「夢唄」「Angel」と、メンバーが作詞作曲にかかわった人気曲で固めたアンコールで見せた、レトロなミュージカルショーのような空気感には、他のグループには真似できないようなエッセンスが凝縮されていたと思う。それは全員が役者として経験を積んでいる5人だからこそ出しえるものであり、「my girl」での小芝居風の演出でも活躍したSHOHEIなど芸達者なバックダンサー勢が、その楽曲の持つドラマ性を増幅させるのにひと役もふた役もかっていたからともいえるだろう。

 2015年から始まったLEVELシリーズでは、ダブルダッチなどの企画やショートフィルムとの連動など、さまざまな趣向でファンを楽しませてきた彼ら。今回の『LEVEL 7』については「過去最高のツアー」と評しているホリックや関係者も多いのだが、ダンサーたちの力を借りつつもほぼ歌とダンスだけでここまでショーアップしたものを見せられるという点で、このツアーがある意味、同シリーズの到達点なのではないかと感じられるほどだった。「今いろんな番組に出させてもらっているのは、PrizmaXを世に広めるため。僕が窓口になって、いずれは音楽番組にも出られるように頑張っていきたい」とウィンが語っていたが、1人でも多くの人に、この充実度の高いステージを体感してほしいと願わずにはいられない。

(写真=笹森 健一)

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

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