『第10回AKB48 世界選抜総選挙』は松井珠理奈が1位 開票結果とメンバーコメントから見えた未来

 また、今年はスカパー! でのコンサートから総選挙までの生中継、例年のフジテレビ系の地上波放送、SHOWROOMでの裏生配信に加え、新たにフジテレビの副音声解説が設けられた。出演者は、指原莉乃と、バラエティ番組でAKB48グループメンバーと共演のある古市憲寿、トレンディエンジェル・たかし、シソンヌ・長谷川忍。歯に衣着せぬ発言連発で、ネットでは賛否両論となっているが、筆者としては『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で言うところの、バナナマンによるウラトークのように、一緒に総選挙を見ているような感覚になることができた。

 特に指原の一言一言は強烈で、11位SKE48の惣田紗莉渚のスピーチでは、彼女のルックスを褒め「セントフォース総選挙」、可愛い後輩の田中美久が10位にランクインした際には、感極まりながらも冷静に「爪ネイルしてる可愛い!」、スピーチの途中でCMに入ると「聞かせて! おい! フジテレビ!」とツッコミを入れる始末。泣きながらうずくまる6位AKB48の横山由依に、司会の徳光和夫がハンカチを手渡すお馴染みのシーンでは「定番の芸なんです」と解説を入れ、宮脇が3位という結果に打ちひしがれている場面では「ただ、なにも言わずに抱きしめたいです」「咲良心配。(名古屋に)今日、泊まります」と気が気ではない心情がリアルに伝わってきた。それらのコメントは、現役のAKB48グループメンバーであり、多くのバラエティ番組をこなす女王としてのトークの腕があってのもの。来年の総選挙生中継でも、指原の副音声解説の続投を期待したい。

 松井が悲願の女王に輝いた、10回目の選抜総選挙。宮脇がラスト総選挙宣言をした今年、SKE48から女王の座を奪いに行くのは、NGT48から荻野、そしてAKB48から岡田。来年の総選挙に向け、すでに戦いはスタートしている。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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