SHINeeは再び立ち上がるーージョンヒョンの功績と4年連続のドーム公演に向けて
SHINeeが、再び立ち上がろうとしている。2月17日、18日に京セラドーム大阪、26日、27に日東京ドーム『SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~』を開催するのだ。一時は、グループとしての活動そのものに心配の声が上がった。だが、彼らは哀しみを胸に抱きながらも、日本のファンとの約束を果たそうとしている。
12月18日、私たちは突然のニュースに耳を疑った。SHINeeとしてはもちろん、ソロアーティストとしても才能を開花させていたジョンヒョンの旅立ち。多くの人が、その悲報に動揺したことだろう。いまも、感情の整理がついていない人もいるかもしれない。筆者自身も、ずっと空っぽの心をどうしていいのかわからずにいたひとりだ。そこに、予約していたアルバム『Poet | Artist』が届いた(現在、韓国盤のみの発売)。公開されたMVには、私たちが愛したやさしい歌声と微笑みが……。こんな素敵な贈り物を遺してくれたジョンヒョンに、感謝で胸が苦しくなり、目頭が熱くなった。
ジョンヒョンは、これまで発表された作品のほとんどを自ら作詞作曲してきた。『Poet | Artist』のリード曲「Shinin'」も、もちろん彼が手がけたもの。トロピカルなサウンドに、彩度の高いMVの映像は、催眠状態に近いフワフワとした居心地の良さを演出する。彼の作る音楽は、決して押し付けることなく、そっと静かに寄り添いながら、徐々にサビにかけて情熱的になっていく。その配慮の行き届いたメロディラインに、彼の人間性がダイレクトに感じられた。
<入ってきてよ 僕のAroundに>「Shinin'」の歌詞を見ていて気づいたのは、ジョンヒョンの作った音楽は、きっと彼の心そのものだったのだということ。一度聞いたら何度もリピートし、いつまでもそこに身を委ねていたくなるのは、彼の温かい心の中入っていたからなのかもしれない。無情な時の流れや、街を行き交う人に抱く疑問、溢れんばかりの愛と、その喜びを知ったからこその孤独と絶望……多くの人が見過ごしてしまいそうな小さな胸の波立ちも、敏感に受け止め、繊細な言葉と音で表現していった人だった。
「Shinin'」は韓国で放送されたテレビ番組『ミュージックバンク』『音楽中心』で1位に輝き、『Poet|Artist』は、米国ビルボードにメインチャートにランクイン。ワールドアルバム・チャート1位を記録した。これは、韓国ソロ歌手では、BoA、G-DRAGON、SOLに続く4人目の偉業だという。SHINeeの公式Instagramには連日、ジョンヒョンが獲得したトロフィーの写真と、彼の偉業を称えるコメントが投稿されている。
「韓国から届いた貴重な贈り物。ジョンヒョン兄さん、本当に愛してる。本当に会いたい。兄さんがやりたいことを全部やり尽くして」2月2日、InstagramでSHINeeのメンバー・KEYが『Poet | Artist』を手にした写真と共にコメントをアップした。これまでもジョンヒョンへの赤裸々な想いを綴った手紙や、「兄さんの不在感を埋めるというよりは、兄さんをいつも感じながら活動したいです」とファンに向けたメッセージを積極的に発信してきたKEY。
ハッシュタグには「僕たちは春が来る前に」と、『Poet | Artist』に収録された曲名も。ジョンヒョンが歌う<僕たちは春が来る前に 暖かくなる前に一度会いましょうか>という歌詞は、SHINeeにライブを開催し、ファンと再会する決心をさせたのではないかという気持ちになる。そして、続く<僕たちは夜が明ける前に みんなが眠りについた時きっと会いましょう>は、ジョンヒョンがいつでも私たちの夢の中で会いに来てくれる、そう約束してくれているようにも感じる。
「物理的なものは僕たちの空間にとって何の関係もなかった……共に過ごした記憶が思い出として生き返り、あなたを抱きしめてくれますように」とは、かつてラジオ番組でジョンヒョンがリスナーに呼びかけた言葉だ。ジョンヒョンのくれた音楽は、これからもずっと私たちの心を、そしてメンバーの心を温めてくれるだろう。『SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~』では、ファンとメンバーが支え合い、ジョンヒョンと過ごした記憶を抱きしめる、愛に包まれた時間になることを願っている。
(文=佐藤結衣)
■公演情報
『SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~』
2月17日(土)京セラドーム大阪
2月18日(日)京セラドーム大阪
2月26日(月)東京ドーム
2月27日(火)東京ドーム
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