モー娘。が「ジェラシー ジェラシー」で首位獲得! 2017年度ハロプロ楽曲大賞を振り返る
楽曲部門4位〜
以下はグループ別に見ていこう。
℃-ute
2017年で解散となった℃-ute。楽曲大賞へのノミネートは今回が最後となるが、グループ最高位は「ファイナルスコール」の7位だった。SHOCK EYEが作詞作曲した勢いあるロックサウンドは、℃-ute解散のはなむけにふさわしい一曲でもあった。実際、ラストコンサートでは本編最後に歌われたナンバーでもある。ラストトリプルA面シングルに収録されていた他2曲も、「The Curtain Rises」が13位、「To Tomorrow」が15位といずれも高順位だった。
ベストアルバム『℃OMPLETE SINGLE COLLECTION』にはレア曲やアルバム用新曲も収録されていたが、そこからの一曲でアカシックの理姫と奥脇達也が作詞作曲した「凜 (RIN)」は32位。ライブ披露される機会が少なかったにもかかわらず大健闘といえるだろう。
モーニング娘。'17
娘。は1位の「ジェラシー ジェラシー」を含め、4位「邪魔しないで Here We Go!」、6位「若いんだし!」、10位「BRAND NEW MORNING」とベスト10内に4曲がランクインし、グループの強さを見せつけた。「若いんだし!」は工藤遥の卒業ソングという位置づけだが、必ずしも楽曲以外の要素が上位進出の理由になるとは限らないところが、楽曲大賞ランキングの面白さだろう。
ちなみに、指原莉乃とのコラボシングルということで話題を呼んだサシニング娘。「Get you!」は55位という結果だった。
アンジュルム
アンジュルムの2017年最高位は、イベント『愛踊祭』のタイアップでアニソンカバー曲の「魔女っ子メグちゃん」の23位だった。オリジナル曲では「愛さえあればなんにもいらない」の28位が最高位。グループのポテンシャルから考えれば少々不甲斐ない順位といえる。2017年12月発売で来年度のノミネートとなるBD/DVD限定シングル『マナーモード/キソクタダシクウツクシク/君だけじゃないさ…friends』が本年度の対象だったら、もっと高順位が狙えていたのかもしれない。
Juice=Juice
2017年はノミネート対象が6曲だったJ=Jだが、3位の「Fiesta! Fiesta!」をはじめ、「Goal 〜明日はあっちだよ〜」(12位)、「地団駄ダンス」(14位)、「如雨露」(17位)と、軒並み高順位をマーク。既発表シングル曲の英語詞バージョン、つまり純粋な新曲ではない「Wonderful World (English Ver.)」が65位なのはまだわかるが、「地団駄ダンス」との両A面シングルだった「Feel! 感じるよ」は70位と、ファンの支持を得ることはできなかった。
カントリー・ガールズ
2017年のカンガルノミネート曲は、両A面シングル1枚、配信シングル1曲。それに加え、ライブのみで披露されていて未音源化だった楽曲が、嗣永桃子の3枚組アルバム『♡ありがとう おとももち♡』にて8曲一挙に音源化されたことで、かなりのノミネート数となった。そしてこれらの楽曲群が50位以内にほぼ全曲ランクインしたことにより、カンガルの存在感が増したランキングとなった。
そんな中でのカンガル最高位は、5位の「ピーナッツバタージェリーラブ」。3位のJuice=Juice「Fiesta! Fiesta!」と同じく、エリック・フクサキが作詞作曲(作詞は三浦徳子と共同)しており、60sアメリカン・ガールポップの最良の部分を凝縮したかのような甘くドリーミーな仕上がりとなっている。
8位には「VIVA!!薔薇色の人生」がランクイン。ももちが卒業した後のカンガルメンバー5人の状況と、〈未来しかなくてごめんね〉〈困難荒波大歓迎 私なら大丈夫です 薔薇色の人生〉という歌詞がマッチしているところがファンの共感を得たようだ。
こぶしファクトリー
こぶしの最高位は9位「シャララ! やれるはずさ」。ストレートなパンクロックサウンドで熱く盛り上がることができる一曲だ。元々は藤井梨央の卒業決定をふまえて星部ショウが作詞作曲したナンバーだが、その意味合いにとどまらず、2017年の場面場面でメンバーとファンが思いを共有してきた一曲だということがうかがえる。
16位にランクインしたのは「闇に抜け駆け」。演劇&映画『JKニンジャガールズ』の挿入歌で、和風ファンクとでもいうべき凝ったサウンドや歌詞、こぶしメンバーの変幻自在な歌唱などが楽しめる充実の一曲である。
つばきファクトリー
つばきが2017年にリリースしたトリプルA面シングルは2枚。つまり6曲がノミネートされていたのだが、その内一番低かった「Just Try!」でさえ27位。要するにトップ30以内に6曲すべてがランクインしたということになる。これはかなりの高評価といえる。
2位「初恋サンライズ」に次いで高順位だったのが11位「笑って」。昨年1位だったモーニング娘。'16「泡沫サタデーナイト!」と同じく津野米咲の作詞作曲による高品質な一曲。MVのシュールかつオシャレな仕上がりも話題を呼んだ。レコード大賞最優秀新人賞を受賞した際に歌われた「就活センセーション」は26位。
ハロプロ研修生/ハロプロ研修生北海道
ハロプロ研修生がライブで披露していたオリジナル曲3曲は配信でリリースされたが、「Hello! まっさらの自分」(49位)、「一尺玉でぶっ放せ!」(47位)に比べてかなりの高順位をマークしたのが19位の「ありがた迷惑物語」。つんく♂作詞作曲で、独自のアクの強さがよく出たクセの強い一曲。長年のつんく♂ファンにはこれがたまらない。
ハロプロ研修生北海道の初オリジナル曲「リアル☆リトル☆ガール」は30位。ハロプロ内におけるグループの存在感の比重を考えれば、これはかなり健闘した順位といえるだろう。
アプカミ・ミュージック・デリバリー
アップフロント制作のYouTube番組『アプカミ』内のコーナーとして2017年5月より始まったのが「アプカミ・ミュージック・デリバリー」。説明文によると「普段は聴けないようなコミカルな歌やCD化されていない曲など、注目の楽曲を紹介する」とのこと。この枠で配信リリースされた楽曲たちがはたして何位にランクインするのかも、2017年の焦点のひとつだった。
50位以上にランクインしたのは、工藤遥 & 佐藤優樹 (モーニング娘。'17)「Miss変換!!」(46位)、一岡伶奈、段原瑠々、川村文乃、高瀬くるみ、清野桃々姫「誤爆 〜We Can't Go Back〜」(34位)、カントリー・ガールズ「小生意気ガール」(24位)の3曲。
「Miss変換!!」は同企画の第1弾となった楽曲で、いわゆる「まーどぅー」と呼ばれて人気の高い工藤&佐藤コンビによる初めてのユニット曲。メールの誤変換をテーマとした歌詞で、曲時間も2分半と小ぶり。こういったコミックソング的な曲は他にも様々なメンバーの組み合わせでリリースされたが、「おバカねこと おバカねこバカのうた」(78位)、「ミンミンロケンロー!」(81位)、「いのうえのうた」(86位)と、やはり正規楽曲に比べると上位に行くことはできなかったようだ。
福田花音作詞曲でもある「小生意気ガール」は、アプカミ・ミュージック・デリバリー枠ではあるのだがコミックソング的要素は薄く、カンガルの新曲として聴くことができる。
「誤爆 〜We Can't Go Back〜」も、LINEの誤爆をテーマとした歌詞は「Miss変換!!」に近いものがあるが、星部ショウ作詞作曲・AKIRA編曲によるサウンドはシンセベースが効いたブラックコンテンポラリー風の洗練されたものとなっている(クイーン「Another One Bites the Dust」やマイケル・ジャクソンなどを連想してしまう曲調だが、あるいはブルゾンちえみがネタに使用したことでも有名なオースティン・マホーン「Dirty Work」へのオマージュなのかもしれない)。また、元ハロプロ研修生の中でも歌唱力の高い5人が集まっているのも完成度の高さに寄与している。
アップフロント系アイドル
正規ハロプロ以外のアップフロント系アイドルで最高位だったのは、道重さゆみ「再生 〜わたしはここにいるわ〜」の25位。モーニング娘。卒業から2年半ぶりに芸能活動再開した道重の初ソロアルバムからの一曲であり、大久保薫の作編曲によるEDMサウンドが鮮烈だった。
その他で50位以内に入ったのは、夏焼雅率いるPINK CRES.の「キレイ・カワイ・ミライ」(35位)、アップアップガールズ(仮)の妹分であるアップアップガールズ(2)の「二の足Dancing」(43位)。