楽天市場「TV・オーディオ・カメラ」カテゴリの人気製品は? “最適化”される消費行動も分析

今、敢えて勧めたいこの製品

Google Chromecast(第2世代)(4,850円)

Google Chromecast (第2世代)

 今回のランキングでは6位だったChromecast。テレビに繋ぎWi-Fiに接続することで各種動画ストリーミングサービスなどを手軽に大画面で利用できるこの手の製品も、今となっては珍しくない。ではなぜ今、Chromecastなのか? それにはあのスマートスピーカー「Google Home」の登場による影響を挙げておきたい。Google Homeは声で操作するデバイスだが、Chromecastを繋いだテレビがあれば「テレビをつけて」とお願いするだけでテレビの電源が入る。他にも「Netflixで〇〇を観せて」とお願いすれば、テレビのリモコンを握るまでもなくコンテンツの視聴が可能になる。家に帰ってきたら「ただいま」の一言より先にGoogle Homeに呼びかけ、Chromecastを接続したテレビでNetflixを起動してもらう生活も夢ではない。また、ChromecastはGoogle製品を競合とみなし、販売を制限しているAmazonでは決して販売されることはない。楽天市場で人気の理由ももしかしたらここにあるのかもしれない。

最適化される消費行動

 1位のSanDiskのmicroSDカードはそのコスパの良さと、高いスペックが多くの人に魅力的だったに違いない。また3位のmaxzenのテレビも同じく十分すぎるほどの性能を有し、シャープやソニーなどの大手メーカーしか選択肢にないようなユーザーを嘲笑うかのようなコスパに優れたプライシングを実現している。これはスペックが高すぎて使いこなせないような物よりも、身の丈にあった賢くスマートな買い物がしたいという、成熟しだした人間の欲の結果なのかもしれない。ミニマリスト的な“持たない暮らし”が支持を集めるのも、ジェネリック家電のような「必要最低限」という思想が根源にありそうだ。反対に2位のBoseのワイヤレスイヤホンは、シーンが限定された「ハイスペック」なアイテム。スポーツや日々のワークアウトの中で、より快適により良い音質で音楽を楽しみたいという「必要以上」を求める人たちに深い共感を生み出しているのだろう。

 何に最低限を、そして何に必要以上を。求める理由も意味も目的も個人によってそれぞれ異なる。それは各々の消費欲が個別に最適化されてきているからなのかもしれない。今後のショッピングは高い物は良い、安い物はダメという段階を抜け、その時の自分が本当に満足できる物を買うことが大事になってくるのだろう。

■げんきくん
フグの毒が一切効かないという理由で新聞に載ったことがある。日曜日に3歳の娘とスコーンを作るのが最近の楽しみ。
Twitter:@genkl_kun

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