『iKON X'mas LIVE 2017』レポート
iKON、歌とダンスで示した“ワールドワイド”な存在感 『iKON X'mas LIVE 2017』レポート
「じゃんけんで勝った人が人間クリスマスツリーになる」というお楽しみ映像を挟み、ライブ後半は攻めの曲が続く怒涛の展開に。「DUMB & DUMBER」では、炎の特効が上がり、DKを筆頭にキレのあるダンスを展開していく。これまで発表されているiKONナンバーのダンススタイルとしてはユニゾンで踊るものが多いが、シンクロ率の高さでいえば重厚感のある「BLING BLING」(最新ミニアルバム『NEW KIDS:BEGIN』収録)の完成度は群を抜いていた。BIGBANGらを担当してきたパリス・ゲーベル振付によるこの曲のダンスは、動き一つ一つを刃物のように合わせる“カル群舞”の手法を用いたもの。ダンサーたちとともにスキのないパフォーマンスを見せたこの曲のパフォーマンスはスリリングだった。
iKONICたちのコールがひときわ大きかったアッパーな「RHYTHM TA REMIX(Rock Ver.)」、「JUST ANOTHER BOY」で本編が終了。と、すぐさまiKONICたちが歌いだしたのは、アンコール前のお約束といえる「LONG TIME NO SEE」のサビ部分。<Long time no see 会いたかった本当に 迷わず君のもとに行くよ だから Baby don't worry>の大合唱に応えるようにメンバーが再登場し、その「LONG TIME NO SEE」をパフォーマンス。この日はDKがキュートなサンタの衣装で登場するというサプライズもあった。ラストの「RHYTHM TA REMIX(Rock Ver.)」ではプレゼントをばら撒いたり、締めの挨拶で「iKONIC大好き!」(JAY)「愛してる!」(DK)といったコメントが飛び出すなど、温かな空気に包まれたエンディングとなった。
この日はクリスマスライブということでエンタメ性を重視した内容だったが、現在活躍する新世代K-POPアーティストの中でも濃厚なヒップホップカルチャーを吸収し、グループ独自のカラーとして発現しているiKON。2018年は彼らの曲名ではないがより「WORLDWIDE」な活躍を見せてくれそうな、彼らのポテンシャルの高さをひしひしと感じさせるステージだった。
■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。