>  > 小野正利が語る、25年の音楽人生

小野正利が語る、25年の音楽人生とシンガーとしての変化 「今は歌そのものをしっかり歌いたい」

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「“わびさび”や感情の部分も出せたら」

ーーどれも難しい曲ではあると思うんですが、一番戦い甲斐があったものはどの曲に?

小野:「A Thousand Miles」(ヴァネッサ・カールトン)は、聞いた時に「ノリ一発じゃん、楽勝楽勝」と思ってたら、僕にはノリがないっていうのを忘れてたんですよ(笑)。レコーディングに入ったらあれ? と。

ーー本当ですか。ノリというのは具体的にどういう?

小野:ネイティブばりに英語が喋れたらまた全然違うんでしょうけど、やっぱり日本語と英語は、もともとの言葉のリズムが違いますから。日本語のポップスやロックを歌う時ももちろんグルーヴやリズム、ノリがありますけど、色々考えていくと基本一つの音に一文字しか乗せられない日本語でグルーヴだなんだって難しいと思ってるんですよ。英語ってやっぱり一音節でできてる単語だと一つの音に一つの単語が乗って、その単語にもアクセントがあるから、一音でノリが出せる言語なんですよね。そういうところで、どうしても歌がペタッとなってしまって発音がちょっと違うとチェックが入ってハマってしまうんですよね。

ーーなるほど。たとえばフィル・コリンズは実は癖のある歌声ですが、小野さんが「Against All Odds」を歌うとすごく透き通った、綺麗なポップスになる印象でした。GALNERYUSとしてハードロックを歌う時と、ソロとしてポップスを歌う時、ご自身としては分けてる部分、あるいは繋がってる部分はありますか?

小野:あまり分けてはいないと思います。GALNERYUSに加入した時に、アマチュア時代にヘビーメタルもやっていたこともあって、ソロとは違うのがよかろうと自分で思っていて。でも長年ポップスを歌ってきたからなかなか上手くいかず、どうしようと思ってたんです。でも、GALNERYUSでも加入早々に、ポップスを歌ってる僕の歌い方や声を聞いて誘ったんだという話をして、そのままでいいと言われて。

ーーあらためて、小野さんのハイトーンボイスには驚かされました。

小野:選曲基準をどうするかとスタッフと話していた時、25年経って50歳でもまだこんな高い声がでますという感じなのか、あるいはそうじゃない方向で深みを出すのか、という話になって。たとえば20年前で30歳の時に作っていたとしたら、カバーした曲のオリジナルの雰囲気を無視して「Your Song」や「Danger Zone」、「Never Gonna Give You Up」のキーを上げて歌いたいって言ったと思うんですけど、今だと、オリジナルのキーでしっとり歌うのがいいんじゃないの? という気持ちなんですよね。女性曲も昔だったらちょっと無理してでも「オリジナルキーで歌う」と言い張ってたと思うんですけど、今は歌そのものをしっかり歌いたい。

ーーエルトン・ジョンの「Your Song」のしっとりとした歌い方がまさにそうですね。

小野:フィル・コリンズの「Against All Odds」は半音上げたんですけど、もう半音上げても良さそうかなと思って試しにパッと上げて歌ってみたら、ディレクターが「あんまり上げるとやっぱりAメロの切なさが消えちゃう感じがする」と。やっぱり自分にとってのある程度の適正キーを心がけてはいるんですが、無理して高い声出す必要もないなと思いました。

ーー先ほど20代30代との比較の話もありましたが、歌への向き合い方についてはどうでしょう。ソロの歌い手であり、バンドのボーカリストであり、歌の指導者でもある。楽曲を声を通して表現していくことに対して、客観的にご覧になることもあると思うんですが。

小野:そうですね。一番はやっぱり声。声の説得力が必要だなというのは相変わらず思ってます。若い時はどちらかというと技術的な部分を気にかけて歌ってることが多かったんです。でもここ数年はもう少し日本語でいうところの「わびさび」だったり、感情の部分も出せたらなと。

小野正利 – You‘re the Only… (25th Anniversary Version)~ Never Say Good-Bye (VS Music Video)

ーーなるほど。『VS』には新曲「Never say good-bye」も収録されています。林哲司さんの書き下ろし楽曲ですが、これは小野さんたっての希望で?

小野:そうなんです。僕の世代だと、上田正樹さんの「悲しい色やね」とか、杉山清貴さん、オメガドライブなど、かっこいいなと思ったものはみんな林哲司さんなんです。それで自分が歌手として活動するようになってから、林哲司さんに曲を書いてもらえたらなとずっと思ってたんです。そしたら事務所の人間が林さんと知り合いだというから話してもらって快諾していただき。それで、バラードということだけ決めて、こちらからは具体的なリクエストは特にせずにお任せして。

ーー詞を書いている渡辺なつみさんもBoAさんや安室奈美恵さんなど、幅広く書いていらっしゃる方です。

小野:彼女に関しては、林さん含め「なつみちゃんがいいよ、彼女いい詞書くよ」と紹介いただきました。レコーディングの時も渡辺さんに立ち会ってくださり、「さっきの1コーラス目の頭なんですけど、ここの詞はこういう感じなのでもう少しこう歌えますかね?」「やってみます」「いいですね!」とかって。歌詞も林さんと相談して、「ベタに惚れた腫れたっていうよりも、人間愛的なそういうのがいいんじゃないかなって思ってる」という話をして。恋愛の曲とも取れるし、そうじゃない感じにも聞こえる、本当に素敵な詞を書いていただけました。25年やってきてひとつ夢が叶ってよかったです。

ーー年明けから東名阪でツアーもあり。GALNERYUSのバンドとともに、ソロ活動も活発になっていきますね。

小野:そうですね。仕事でずっと歌うことを続けてるうえで、GALNERYUSに入ってから、歌ってるな、歌えてるなーーへんな言い方すると仕事してるな、仕事できてるなという充実感が味わえています。またそこにソロも加わるかたちで並行してやれたらいいなと思いますね。

ーーこれが一つの区切りになりますが、これからも小野さんはたくさん歌っていかれるんだろうなと期待を感じさせる作品になっていますね。

小野:そうですね。先輩ですと小田和正さんもずっと変わらず歌ってますし、ライブでも走っておりますし。何年か前に音楽番組でご一緒した松崎しげるさんも相変わらず。ああいう上の世代の方々が今も変わらず歌ってるので、自分もケアしながらやっていけば、60歳になっていけるんじゃないかとイメージしやすいですよね。だから、なんとかこれからも歌っていきたいと思います。

(取材・文=神谷弘一)

小野正利『VS』

■リリース情報
『VS』
2017年12月13日(水)発売
¥3,300+ 税

<収録曲(曲名/オリジナル歌唱アーティスト)>

・DISC1(VS DIVA DISC)
1.Hero / Mariah Carey
2.My Heart Will Go On / Celine Dion
3.It Must Have Been Love / Roxette
4.A Thousand Miles / Vanessa Carlton
5.Now You‘re Not Here / Swing Out Sister
6.My Immortal / Evanescence
7.Let Me Let Go / Faith Hill
8.A question of honour / Sarah Brightman

・DISC2(VS LEGEND DISC)
1.Any Way You Want It / Journey
2.Livin‘ On A Prayer / Bon Jovi
3.Danger zone / Kenny Loggins
4.We’re all alone / Boz Scaggs
5.Against All Odds / Phil Collins
6.Your Song / Elton John
7.Never Gonna Give You Up / Rick Astley
8.Dreams / Van Halen
<BONUS TRACK>
9.Never say good-bye
10. departure!(VS Edition)
11. You’re the Only・・・(25th Anniversary Version)

■配信情報
「VS DIVA DISC」よりMy Heart Will Go On / CELINE DION
「VS LEGEND DISC」よりDanger Zone / KENNY LOGGINS
配信リンクはこちら。

■ライブ情報
『Birthday and Release Tour 2018「V.S」』
2018年1月12日(金)名古屋 APOLLO BASE
open18:30/start19:00
2018年1月21日(日) 大阪 心斎橋SUN HALL
open 16:30/start17:00
2018年1月26日(金)東京 Shinjuku FACE
open18:30/start19:00

一般チケット発売日:2017年12月17日(日)
チケット料金:各公演前売り 5,000円
※ 入場整理番号付き
※ 1ドリンク別途
※ 全席自由席
※ 未就学児童チケット不要

小野正利オフィシャルサイト

      

「小野正利が語る、25年の音楽人生とシンガーとしての変化 「今は歌そのものをしっかり歌いたい」」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版