J☆Dee'Z、涙の振付合宿で生まれたものとは? “葛藤と成長”の2017年を振り返る

J☆Dee'Z、“葛藤と成長”の2017年

 J☆Dee'Zが11月22日に7thシングル『ひとひらの涙 / カラフルジャンプ』をリリースした。同作はメンバーが初めて表題曲の振付を担当し、楽曲も構成が特殊で力強い「ひとひらの涙」と、彼女たちにとっては久々のアニメタイアップである「カラフルジャンプ」など、振り幅の広い2曲を看板に据えており、これまでよりも積極的にリリースを行ない、メンバー自身もグループと向き合った2017年を象徴するような作品に仕上がっている。

 今回のインタビューでは、振付のために行なった合宿の裏側や、メンバー間に起こった変化、9月22日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行なったワンマンライブの振り返りなどについて、じっくりと話を訊いた。(編集部)

「常日頃自分たちのことを考えて答えを探している1年」(ami) 

ーーまずは「ひとひらの涙」について訊かせてください。「Dream Arch」以降、「Answer」「Melody」と力強いアッパーな曲が続いていましたが、今回は和の要素を感じるメロディも特徴的な、ミドルテンポの楽曲です。3人は楽曲を受け取って、まず最初にどう思いましたか?

Nono:歌詞の内容もそうなんですけど、私たち自身、ここまでミドルバラードを表題曲でやるのは初めてで。ライブでやっている姿が最初は想像できなかったです。でも、そのぶん新しいJ☆Dee’Zを見せられるんじゃないかというワクワクはありました。

MOMOKA:この曲は「Answer」と同じタイミングに出会った曲だったのですが、まさか表題曲になるとは思っていませんでした。今まではガチガチに踊る感じの曲だったり、ダンスをする姿が想像できる曲がメインということが多かったので、いつもよりも踊っているイメージがなくて驚きました。

ami:曲のシーン展開がハッキリしてるんですよね。メロラップのような展開から、急にバラード的なサビに入ったり。リズミカルなJ☆Dee’Zらしいところも入れながら、新しい挑戦をしている曲だなと思います。

ーー最初にこの曲を聴いたとき、とにかく構成が面白いと思ったんです。フルサイズだと頭サビからA→B→Cと普通の流れなのに、それが終わって2番がないままD→間奏→2B→E→2C→3Cという展開に驚きました。

3人:ですよねー!

MOMOKA:最初はショートバージョンかと思いました。2番が無いような構成というか。

ami:初めて聴いたときは驚きがあったんですけど、噛み砕いていくうちに、当たり前の展開じゃないのは、歌詞と寄り添っているんじゃないかと考えるようになりました。「思い通りにはいかない」という内容は、まさにこの曲調とピッタリで。

ーー1番が終わって、amiさんが<スマホの広告で見た ”夢の叶え方” どこかで買える夢なんて欲しくないよ>と力強く歌う部分も、聴くたびにハッとさせられます。

ami:そこはレコーディングのときも、Soulifeさんから「何回もテイクを録って良いのを使うんじゃなくて、5回だけにしよう」と言われて。その5回のなかで、曲への気持ちや伝えたいことを全部詰め込んで歌いました。

ーーほかにレコーディングで難しかった部分や、新たな発見などはありましたか。

Nono:今回サビはハモりもあるんですけど、ほとんどが全員でのユニゾンなんです。サビでユニゾンを歌うこと自体が久しぶりだったんですが、この曲は聴いてる方に寄り添うような楽曲なので、そのほうがしっくり来るとSoulifeさんから提案していただきました。

MOMOKA:Bメロでリズムを取りすぎず、言葉を伝えることを一番に考えて歌いました。それ意外の部分でも、歌詞を伝えることを何より意識した曲だと思います。

ーーなるほど。歌詞でそれぞれが一番大事に歌っているラインはありますか?

Nono:<強くないからこそ 強くなれる>ですね。自分たちがそうであって欲しいなと思いますし、がっかりすることも沢山あるけど、この歌詞を読むと「自分のことをもう少し信じても良いんだ」と思います。

ami:私はBメロの部分すべてです。「挫けそうなときに差す一筋の光」を表す言葉が多いので、しっかり伝えたいなと。

MOMOKA:私は1番のサビの最初にある<ひとひらの夢に 傷ついたとき 泣いていいよ 枯れ果てるまで>ですね。私自身泣いてしまうことが多いんですけど、そういう自分を否定せずに受け入れて、前を向いていこうというところに共感できて、すごく気持ちが入ります。

ーーちなみに、Soulifeさんからはどういったテーマを共有してもらったのでしょうか。

Nono:最後に<La La La La La〜>とリフレインするところがあるんですけど、その部分を「ライブでファンのみんなと一緒に歌いたいよね」と言ってもらえて。私たちの歌で心が一つになってからそのフレーズを歌うという、ライブのことまで考えてくれていて、素敵だなと思いました。

MOMOKA:今回は私たちから直接「頑張れ」という応援ソングじゃなくて、「頑張ってる人に対して間接的に仲間がいることを伝えられる歌詞になっている」とアドバイスされました。

ami:エールを送るというテーマでもあるけど、1年前の「Dream Arch」のように力強い応援ではなくて、近くで、耳元で囁いてあげるくらい優しい曲なので、Soulifeさんからも「力強いけど、応援している側も根拠がある。目の前に人がいるように優しく歌って」と言われました。

ーーそんな楽曲のパフォーマンスについても訊かせてください。振付は今回表題曲としては初めて自分たちで制作したんですよね。3人の中でも「そろそろ表題曲を」とは思っていたんですか?

Nono:そこまで計画的ではなかったんですが、「ひとひらの涙」が自分たちの現状とピッタリ合ったことや、振付を作るのが難しいミドルバラードだからこそ「どうやって自分たちを表現できるか」に挑戦できる機会だと思ったんです。

ーー最初から「難しくなるだろう」という予感はしていたんですね。

MOMOKA:はい。自分たちで振付を担当することになる前から、「もしこれを振付師さんが作ったらどういう振りになるか」をメンバー間でも話していて。「絶対この曲難しいよね、どうなるんだろう」と言っていたんです。

ーーで、その振りを作るための合宿もやったわけですよね。その時の映像はすでにMVとして公開されていますが、振付を考えるための合宿をし、そこで3人の課題にも向き合ったと。

ami:1日目はスタジオに入って振付をしていて。サビまで終わって「いいペースだな」と思っていたんですけど、ふと客観的に見たとき、振付以前にメンバー間の空気が緩んでいるようにも感じて。そんな甘い空気のなかで生まれた振り付けは伝わらない」と思ったのと、自分たちとしても「ダンスを作っているだけ」なのは嫌で、私たちがこの曲に振りを付けている意味を見出したかったので、3人でとことん話し合いました。

【グループ崩壊?本音炸裂!涙の合宿生活密着MV】「ひとひらの涙」/J☆Dee’Z(ジェイディーズ)

ーー映像を見ると、それぞれの言葉が重すぎて。こんなことを言っているのかと驚きました。

MOMOKA:この映像を見て、これが1日目だと気付く人はほとんどいないと思います。その日自体も朝が台風で電車が動かなくて、練習が始まるのも遅かったのに、すぐにああなっちゃって、3時間くらい時計を見ずに話しました(笑)。でもあの話し合いがなかったら、その後の4日間がまったく違ったものになっていたのは間違いないです。

Nono:あと、撮影されていることを忘れていたり、気づかない瞬間が多かったので、こうして見返すと「ここ使ってるの!?」と驚く部分が多いです(笑)。

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ーーNYでの武者修行もそうでしたが、この1年は3人で向き合う機会が多くなっているような気がします。

MOMOKA:確かに。2017年がそういう年だったのかもしれません。

ami:自分たちで話し合って向き合うからこそ、J☆Dee’Zの曲について考える時間も増えたし、考えれば考えるほど違う視点で見えてきたりもして。常日頃自分たちのことを考えて答えを探している1年でした。

ーーMVでは最後にNonoさんの印象的なセリフがありますが、お互い合宿を通して、自分のことを曝け出せるようになりましたか。

Nono:近づいたという言い方もあるのかもしれないですけど、どちらかといえばお互いの見えなかった部分が見えて、「もっとJ☆Dee’Zのことを信じたい、もっと好きでいたい」と思うようになりました。

ーーとことん話し合ったなかで、具体的にどんな部分を見つけることができましたか?

ami:映像に入っている1日目の夜に「7年間一緒にいると、お互い言えない部分も出てくると思うから、ここで一回自分自身の長所と短所を発表しよう」と言って。そのメンバーが短所だと思っているところを「実は長所だよ」とフォローしたり、自分で気づけていない長所を教えたりしたんです。

ーー改めて見つけた、メンバーの意外な部分は?

Nono:amiが割と泣き虫だったところ、ですね。

ami:そう。どれだけ悔しいことがあっても、家に帰ってから泣く人なんですよ。人の前で泣くのが嫌いで。でもこの2人は家族みたいなものだし、メンバーになら良いやと思ったので。でも、1回泣くようになると、何かあるたびに泣いちゃって(笑)。MOMOKAは最年長で、常に笑顔でいるイメージがあったけど、意外と自分に自信がなかったり、長所をなかなか言えなかったりして、そんな子には見えなかったので驚きました。

MOMOKA:自分では「言えてるはずが言えてない」ことが多かったなと自覚させられましたし、あの話し合いをきっかけに直接伝えることも増えました。「話さなくても伝わるでしょ」と思ってることって、意外に伝わってなかったりするんですね。Nonoは最年少だからこそ、大人になったなと感じることが多いです。振り幅が最初と全然違うというか。

Nono:確かに、小学生のころからだもんね。あと、全員の変化でいうと、合宿から帰ってきて以降、声のトーンや言葉の選び方も気にしなくなりました。長年一緒にいるからこそ、知らずに出来ていた壁が壊れたというか。

ーー結果的にできた振り付けが、これまでとは違った、しなやかでコンテンポラリーな動きになっていたのも驚きました。

MOMOKA:元々はもっとダンサブルだったんです。最初にめちゃくちゃ踊るパターンを、その次にほとんど振付がないものを作りました。全部動画を撮って見返したんですけど、「なんか違う」と思ってしまって。

Nono:何というか、「流れて終わってしまってた」んですよね。これまでとタイプの違う表題曲なので、楽曲が一番輝く振付や、メッセージが伝わる振付を考えていたら、「今までと違うものじゃないといけない」という結論にたどり着きました。

ami:今の形になったきっかけは、合宿2日目の出来事が大きいですね。Nonoが学校に行っている間、煮詰まった私とMOMOKAが気分転換に外を歩きながら、この曲を初めて聴いたときのことを思い出したら「踊らなきゃって思いすぎてないかな?」という考えになって。J☆Dee’Zは歌とダンスを武器にしているから、振り付けをしなきゃと思ってたけど、踊らずにこの曲を引き出せるパフォーマンスがあると感じたし、踊らないイメージのところは踊らないままでいこうと思いついて。帰ってきたNonoに伝えて、もう一回振りを作り直しました。

MOMOKA:大切な言葉が出て来るところだけに振りをつけたりとか、そういう調整もしたんです。

Nono:でも、そこからも結構長くて。踊らないようにしたけど、中途半端になったりしたので、踊るとか踊らないではなく、歌っていて気持ちいい振りをつけようと思って、今の振付になりました。

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