安室奈美恵『Finally』は単なるベストではない 25年を経て辿り着いた“最新作”としての捉え方

 つまり本作は、「25年のキャリアを網羅した初のオールタイムベスト」であると同時に、すべての楽曲が現在の視点で構成された、「全52曲、3枚組の最新オリジナルスタジオアルバム」でもあるということ。再録音の基準を現在の音楽性との親和性とを考慮して2014年近辺までの楽曲に設定していることからも、再録する楽曲の選別についても丁寧な検討が行なわれたことが伝わってくる。そして、そのストイックなまでの表現/作品への向き合い方は、何よりも、多くのリスナーにとっての安室奈美恵像そのものなのではないだろうか。本作は2週目も執筆時点で15万枚以上を売り上げている。これから年末までに、もしくは来年9月16日までに、どこまでセールスを伸ばすのかにも注目だ。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

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