DNCE×SEKAI NO OWARI、Mステ出演 セカオワの世界展開から読むコラボの意義

 肝心の楽曲は、これまでのコラボのなかだと「Mr.Heartache」に近く、キャッチーなメロディとポップに開けた音像が聴き心地の良さを感じさせる(実際に「Hollow」には<Hey, Mr. Heartache>という歌詞も登場する)。同曲よりもファンタジー感は薄れたものの、最近のSEKAI NO OWARIの作風とは離れたところで、世界基準の音楽を届けたいという意図があったのではないだろうか。聴き手を選ばない、ポップさが「Hollow」には宿っている。

 Fukaseのボーカルも、このような曲調で英詞を歌うと、アダム・レヴィーン(Maroon 5)のような伸びを見せるのかと驚かされた。これまでの「ANTI-HERO」は低いキー、「SOS」はファルセット、「Mr.Heartache」では甘めの声だったことを考えると、多少エフェクトは掛かっているものの、一番彼のストレートな声が活かされているようにも感じる。

 リリックは開放的なメロディとダンサブルなビートとは裏腹に、シンプルに<心を引き裂き、何もかも持って行った“彼女”>への喪失感を歌っているのだが、これもまたSEKAI NO OWARIにとっては今までにないくらいストレートなテーマと言葉の組み合わせ。その点も合わせて、オンエアを見ると、より楽曲を楽しむことができるだろう。

(文=向原康太)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる