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『MY ONLY LONELY WAR』リリースインタビュー

SAがどこまでも“挑戦”を辞めない理由 「今いるファンだけのためにやってるわけではないからね」

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 SAの新たな可能性を見せた前作『WAO!!!!』は、さまざまな反響を呼んだアルバムだった。それを踏まえて、今回SAが投げてきたのはストレートの剛速球。9月6日にリリースする4曲入りシングル『MY ONLY LONELY WAR』はこれまで以上にアツく、強く、ぶっとい芯の通った作品である。疾走するリズム、図太いサウンド、燃えたぎる闘志……SAの王道であり原点回帰を感じさせながらも、耳に残るキャッチー性と遊び心をも見え隠れするアレンジは明らかに『WAO!!!!』の延長線上にあり、ツアーで得た手応えが如実に現れているのだ。“アツさ”3曲、プラス“ユルさ”1曲ーー今作に込められたSAの核とは? アツいだけではないユーモア性とは? TAISEI(Vo)とNAOKI(Gt)に話を訊いた。(冬将軍)

「お客さんやオレたちを長いこと応援してきてくれたコムレイズの中に、大なり小なりの戸惑いがあったのも事実」(TAISEI)

ーーシングル『MY ONLY LONELY WAR』は、それぞれで違うSAらしさを出している4曲が揃いましたね。

TAISEI:そこは頭にあったね。16年やってきた中の、SAの核となるにおいのある曲をやりたかった。早いビート、キャッチーなアガるロックンロール、アツくグッとくるもの、そういう3曲にしようって。

ーー前作『WAO!!!!』は音楽性の幅を広げたアルバムだったぶん、今作はストレートに攻めてきたなという印象も受けました。だけど、前作の延長線上にもあることもちゃんと現れていて。

TAISEI:『WAO!!!!』という、これまでより一歩半くらい進んだ振り幅の作品を作って、そこからまたさらに進むというわけでなく、もう一度本来のSAというものに立ち返ってみる。そして、次のアルバムではもう一歩進めてまた振り幅を広げていく。トータル的にはちゃんと進んでいて、「前に出て、ちょっと下がる。前に出て、ちょっと下がる」みたいなさ。それってSAっぽいし、大事にしてるところなんだよね。

ーー何曲か持ち寄った中から選んだのですか?

NAOKI:今回、TAISEIと2人で20曲作ったよ。

TAISEI:今年の頭に『WAO!!!!』のツアーが終わって、すぐに作り出したからね。「すっげぇ3曲を作ろう」というのがあって。「オレも作るから、NAOKIも10曲なっ!」って、2人で酒飲みながら話したよね。

NAOKI:思わず「ゲッ?!」って言ったもん(笑)。

TAISEI:次のアルバムを見越して作りたいというのもあってね。

ーーツアーが終わってすぐに作り始めたということは、それだけ得るものが多いツアーだったということでしょうか?

TAISEI:SAの幅を広げた『WAO!!!!』を作って、ツアーを回ったわけだけど、幅を広げるということは挑戦でもあった。SAがここまで広げてやってることを柔軟な気持ちで聴いてほしいと、ライブでぶつけた。だけど、お客さんやオレたちを長いこと応援してきてくれたコムレイズの中に、大なり小なりの戸惑いがあったのも事実。そういうツアーを終えた中で、「もう一度戦わなきゃいけない」と思ったことも今回の一つのキーワードになってる。お客さんをねじ伏せるために戦うのではなくて、自分たちの表現を広げていって、「こういう引き出しがSAにもある、でもそれはちゃんとSAというバンドのサウンドになってるんだ」っていうのをちゃんと示したいわけ。

ーーそのツアーファイナル、今年1月の赤坂BLITZ公演は、SAの“ライブバンドとしての凄み”をあらためてものすごく感じたんです。ライブアレンジ、バンドのグルーヴ、コムレイズとの一体感であったり。1回2回のライブでは決して得られない、ツアーを回って出来上がっていったものをまじまじと魅せつけられたライブでした。

NAOKI:あのBLITZはものすごくいいライブになったという実感はあるね。でもあそこにたどり着くまでは正直、お客さんとのズレや温度差も考えながらのツアーだったよ。『WAO!!!!』はSAのユーモア、遊び心を注入したものがあったんだけど、ツアーの最初は「ちょっと遊びすぎたかな?」「あれ?“ピーハツ”伝わらへんのかな?」という反省もあった。だけど逆に、これでもかというくらい“ピーハツ”言わなきゃダメだな、とも思ったのね。それで、もっともっと「ビックスマイルでやったる!」という心意気になって。そこから、とくに今年に入ってのツアー終盤、BLITZに向けての上がり方はすごかったね。だから、今回のシングルはツアーの悔しさも味わった上で選ばれた3曲であるし、そこを踏まえてフィーチャーされた歌詞だし。

ーーそういう悔しさを胸に秘めながら〈ほら、いざゆかん!満面のビックスマイルで/「威風Do!Bop!」〉と高らかに歌うところが、ものすごくSAらしいなと。

TAISEI:「なにクソっ!」っていう気持ちもあるんだけど、やっぱりビックスマイルでいたいなって。それは「ピーハツグンバツWACKY NIGHT」の〈どっちみち笑ったもん勝ち〉みたいなところにも繋がると思うし、「今に見てろ」と思いながらも「悔しかったら笑え、悲しかったら笑え」というのはいつも自分の中にいつもあるからさ。

ーー“ピーハツ”や“ビッグスマイル”もそうですけど、SA流の激励と言い回しってあるじゃないですか。「MY ONLY LONELY WAR」の〈もう一度何度でもやったらんかい!〉だったり。この〈やったらんかい!〉で、ガッと胸ぐらつかまれた気分になります。 

TAISEI:例えば、「カモン、ベイベ!」とか、「さぁ、行こうぜ!」じゃなんか弱いし。もっとパワーのある言葉はないか? よし、「やったらんかい!」だ! って。そういうワードが出てきたとき、「やったぁ!」と思うもんな。それに、ライブでやったら、みんな「やったらんかい!」って歌うと思うんだよね。「GET UP! WARRIOURS」の〈小さくまとまる器じゃねぇ〉なんかもそうなんだけど、最初は「え?」ってなるわけよ。「え、なに? 今なんて言った?」みたいなところって結構面白かったりするよね。耳に残る、それをキャッチーと捉えてるな。

ーー“TAISEI節”ですよね。

TAISEI:だよね(笑)。ビートがある日本語というかさ、方言であったり、昔の言い回しであったり、それをあえて入れるというのはすごくあって。昔の言葉、昔の風景、そこを取り巻く状況……、みたいなものは常々考えてるね。たとえば、“列車”とか“汽車”とかさ、そういうワードは今の若い子からはもう出てこないんだよね。でも、オレらの子供の頃はリアルにあった言葉だからさ。

NAOKI:「夜汽車に揺られて〜」なんて、今は言わないもんな。

TAISEI:今なら「新幹線で一時間半」か。

NAOKI:「深夜バス」とか(笑)。

TAISEI:そういうものを大事にしてるんだけど、「それは時代錯誤だから若い人にもわかりやすいように」みたいに言う人もいるでしょ? でも、乱暴な言い方すると「わからないヤツはわからなくていいや」っていうのはあるね。だけど、なんとなくでも感じ取ってほしいし、むしろそれを探求してほしいな。

ーー音楽のルーツを探る、みたいなことにも通じる部分ですね。「MY ONLY LONELY WAR」はテレビゲームのような電子音が入っていたり、そういうサウンド面での遊び心も新鮮でした。

NAOKI:言ってるメッセージがものすごくアツいから、ああいう電子音が入ってもちょうど良いというか、センスの良い遊び方ね。

TAISEI:サウンドにしてもどっかニヤっとするというか、ただアツいだけじゃないファニーな部分っていうのを大事にしたいなというのは常々思っていて。この平歌のところも最初歌っていてなんか面白くねぇな、じゃあ、掛け合いにしようと。「Beastie Boysみたいにしようぜ」って。ラップなんだけど、なんかガチャガチャのラップ。パンクバンドが見様見真似でラップやりました、って感じの。

NAOKI:遊び心から全てのヒントが生まれてきて、結果それがアツいものになっていく、……っていうバンドなんだよね、ウチら。

ーーそういう遊び心は、長年やってきたからこそ生まれたものだったりしますか? 

NAOKI:ずっとやってきたからできることもあるけど、そもそもユーモア性というのは持って生まれたものだからね。本質にあるものを広げてるだけだと思う。でも、それができるのはやっぱりSAの核がしっかりできているからであって。

TAISEI:こういうのは1人だけユーモアを持っていてもダメなんだよ。「ユーモアでいくぞ!」と言っても、他のヤツが全然ユーモアなかったら成立しないから。そういう意味で、オレらは、いつも酒を飲みながら、あーでもない、こーでもない、バカ話もしながら、SAの未来を語ってるからさ。ユーモアに対しても真剣な部分に対しても、そこを共有してるからね。それはデカいと思うよ。

      

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