大野智から溢れる“嵐”としての魅力 映画『忍びの国』について語られた言葉から読む
嵐の大野智が主演を務めた映画『忍びの国』がロングヒットを続けており、7月26日には新宿バルト9にて応援上映が行われた。嵐のメンバーが出演する映画で応援上映が行われるのは今回が初、チケットは即完売だったという。当日は「声出しOK・コスプレOK・サイリウムの持ち込みOK」という応援上演ならではのルールのもと、大野のメンバーカラー青のサイリウムを持参した観客たちが集い、かなりの盛り上がりを見せたようだ。(参考:嵐・初の応援上映!大野智『忍びの国』に熱狂 「アンコール」の声止まず(シネマトゥデイ))
冷めやらぬ『忍びの国』フィーバー。本作に関してはプロモーションにも一段と力が入っており、大野がテレビや雑誌、かなりの数のメディアに出演していた。大野のレギュラーラジオが終了してしまい、自身の言葉で語られる機会が減っていた最中、こうした出演はファンにとってもうれしい出来事だったことだろう。また、その中には、大野の考えや思いに至る内容もいくつか見られた。ただ出演する様子を見ることができてうれしいだけではなく、普段は寡黙な大野の本心に少しふれることができたのは、何よりも収穫だった。
なかでも、シアターカルチャーマガジン『T.』(No.35)では、演じることと踊ることの関連性や、役柄との共通点、嵐のメンバーとしてのソロ活動についてのスタンスなどが語られていた。中村義洋監督から「そのままでいい」と言われたという大野が演じた無門のキャラクター。無門と自身との共通点について大野は、「本当は相当ハードな修行をしてきたはずなんですよ。でも、それをあまり表には見せない。そういう、頑張っている姿をあまり人に見せたくないっていうところは、確かに自分にもあるかもしれないなって気はしましたね。照れくさいっていうか」と語っていた。嵐のメンバー全員に言えることではあるが、そういった努力のあとを見せない・感じさせないところにいつも彼らのプロとしての意識の高さを感じる。
さらに大野は、「これ見よがしに『俺は強いんだ!』って感じのヒーローは、僕もあまり好きじゃなくて。(略)僕にとっての理想のヒーローっていうのも、確かにこういう“実はすごい”みたいな人かもしれませんね」とも語っていた。まさにこれは、嵐の魅力を言い得た言葉でもある。日々彼らの活躍にふれていても、楽曲のパフォーマンスやコンサートで毎回新たな発見や驚きをもたらしてくれる。そう、嵐は知れば知るほど“実はすごい”グループなのだ。
さらに、グループの一員としての“働くこと”への意識については「もちろん、嵐としての活動はすべてのベースになっていて、今回みたいな映画の仕事を一人でする時も、常にそこから“出張”してるって感覚なんですけど」と語っていた。言葉の端々から“嵐の大野智”としての魅力が溢れ出ていた。