フジロック、今年注目の洋楽アクトは? 新進気鋭からレジェンドまで出演者徹底解説!

7月29日

<Green Stage>

Aphex Twin

 もはや説明の要もないテクノ界最大のトリックスター。2014年に13年ぶりの新作『Syro』をリリースして以降は精力的に作品を発表し続けるエイフェックス・ツインが、嵐の第一回以来なんと20年ぶりのフジロック登場、しかもグリーン・ステージのヘッドライナー出演とは、長生きはするものです。さきごろロンドンのフェス出演時の模様がストリーミングで中継され、世界中を熱狂させたのは記憶に新しいですね。映像作家クリス・カニンガムとのコラボによる光と影が交錯するサイケデリックでエキセントリックでスペクタキュラーなショウ。PCの画面越しであっても、映像と音響が渾然一体となった凄まじく強烈で刺激的な世界に圧倒されてしまいました。これだけは見逃したら絶対に後悔します。

Aphex Twin Live at Field Day 2017

Aphex Twin - CIRKLON3 [ Колхозная mix ]

The Avalanches

 こちらも、なんと16年ぶりの新作『Wildflower』を昨年リリースして大復活したオーストラリアの雑食音楽集団アヴァランチーズがフジに登場します。昨年出演が決まっていたもののキャンセルとなってしまったので、まさに満を持しての登場というわけです。16年ぶりといっても、いい意味で全然変わっていない。無数のサンプリングソースからの雑多な素材を片っ端からカットアップ・コラージュした無類に人懐っこいダンス・ミュージック。その手際の鮮やかさ、センスの良さにまったく衰えはありません。ファースト・アルバム『Since I Left You』は、情報万能主義/消費至上文化がピークにあった時代の精華であり、たとえばコーネリアス『FANTASMA』なんて作品と比肩すべきアルバムだと思いますが、そのコーネリアスとアヴァランチーズが、共に長い沈黙を破り新作を引っさげ、2017年のフジロックのステージに並び立つ。深い感慨を覚えずにはいられません。

The Avalanches - Because I'm Me

The Avalanches - Subways

<White Stage>

LCD Soundsystem

 復活したジェイムス・マーフィーのLCDサウンドシステム。9月発売予定の待望のニュー・アルバム『American Dream』を引っさげ、復活後の初来日がフジロックの舞台です。最近のライブ映像を見ると、以前にも増して強烈にダンサブルなステージを展開している模様。トーキング・ヘッズみたいでかっこいい。期待大です。

LCD Soundsystem - call the police

LCD Soundsystem - american dream

LCD Soundsystem - live Paredes Coura full concert (Pro shot)

Death Grips

 米カリフォルニア・サクラメント出身のヒップホップ/パンク/ノイズのデス・グリップス。超過激な変態エクスペリメンタル・インダストリアル・サウンドと、悪意と毒に満ちたリリックと、凄まじくパワフルでエネルギッシュでフィジカルなライブが最高な3人組です。レコード会社と対立して完成したアルバムをいきなりフリーダウンロードリリースしたり、公然猥褻なジャケが問題になったり、解散宣言しながら何食わぬ顔でいきなり新作『Bottomless Pit』をリリースしたり、と何かと話題が絶えません。フジロックは2013年以来。クロニックス、デス・グリップスから小沢健二というこの日のホワイトの流れが脈絡がなさすぎて最高ですね。

Death Grips - Eh

Death Grips / Simple Things (Live)

Chronixx

 ルーツ・レゲエの若手筆頭株として期待も大きいジャマイカ出身のクロニックス。父親はレゲエ・シンガーのクロニクルという24歳です。待望のファースト・アルバム『Chronology』をリリースしたばかり。父親譲りの声の魅力と、オーソドックスながらもスケールの大きなパフォーマンスは、もはや大物の貫禄十分。

Chronixx - Likes (Music Video)

Chronixx: “Majesty”

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