Paramore、San Cisco、アル・サニー……高橋芳朗が選ぶ、洋楽チャート賑わす新譜5選

Lido「Not Enough (Feat. They.)」

 次は6月12日の放送から、チャンス・ザ・ラッパー「Angels」などのプロデュースで名を上げたノルウェー出身のコンポーザー、リドが新進R&BデュオのTHEY.と組んでリリースしたシングル「Not Enough」を。すでに一部の好事家のあいだで話題になっているようですが、これが豪快なニュージャックスウィングのオマージュで大興奮。実際にガイやボビー・ブラウンの曲を聴いたうえで制作に臨んだそうですが、むしろ彼らの成功後に出てきた数多のフォロワー群に通ずるそこはかとないB級感が最高です。いずれにせよ、ブルーノ・マーズ「Finesse」で再燃したあなたのニュージャック熱に拍車をかける作品としては申し分のない仕上がりかと。アートワークも実にわかってらっしゃる!

Garren Sean「Lift Off」

 最後は6月19日の放送より、こちらもチャンス・ザ・ラッパー関連。彼の「Smoke Break」でプロデュースを務めていたサンフランシスコ出身のコンポーザー、ガーレン・ショーンの2ndシングル「Lift Off」。3月に出た第一弾シングル「There She Go」はまさに「Smoke Break」の延長線上にあるようなレイドバックしたインスト曲でしたが、こちらは小気味好いギターのカッティングが爽快なキレのいいディスコチューン。まもなくリリースされるというデビューアルバム『Garren』がこうした系統の曲で固められるようであれば、タキシード級のヒットが期待できるかもしれません。アニメ仕立てのミュージックビデオも一見の価値あり。

 以上、ここ2カ月の『興味R』オンエア曲から5作品。「そこそこ忙しいあなたのアーバンライフを潤す都市型生活情報ラジオ」という番組の触れ込みに恥じない選曲を自負しておりますので、ぜひ本放送もチェックしてみてください!

都市型生活情報ラジオ 興味R
ジェーン・スー 生活は踊る

 

■高橋芳朗
1969年生まれ。東京都港区出身。ヒップホップ誌『blast』の編集を経て、2002年からフリーの音楽ジャーナリストに。Eminem、JAY-Z、カニエ・ウェスト、Beastie Boysらのオフィシャル取材の傍ら、マイケル・ジャクソンや星野源などライナーノーツも多数執筆。共著に『ブラスト公論 誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』や 『R&B馬鹿リリック大行進~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~』など。2011年からは活動の場をラジオに広げ、『高橋芳朗 HAPPY SAD』『高橋芳朗 星影JUKEBOX』『ザ・トップ5』(すべてTBSラジオ)などでパーソナリティーを担当。現在はTBSラジオの昼ワイド『ジェーン・スー 生活は踊る』の選曲も手掛けている。

 

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