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BLACKPINKは、ポップミュージックの救世主になるか? 彼女たちが受け継ぐK-HIPHOPの遺伝子

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BLACKPINK『SQUARE ONE』

 YGエンターテインメントが、満を持して誕生させた新人ガールズグループ・BLACKPINKの日本デビューが、8月9日に決定した。YGエンターテインメントは、「江南スタイル」(2012年)のYouTube再生回数でギネスブック記録を更新し、ビルボード チャート2位にまで上り詰めたPSY、日本でも12万人を動員するアリーナツアー『iKON JAPAN TOUR 2016』を成功させ 「レコ大」最優秀新人賞を受賞したiKON、そして今やK-POP界最大のボーイズグループであるBIGBANGを擁する、韓国最大の音楽事務所の一つだ。

 驚かされることに、BLACKPINKは日本デビュー直前の7月に、武道館ライブ『BLACKPINK PREMIUM DEBUT SHOWCASE』を開催することもすでに決定している。YGエンターテイメントで新人ガールズグループが結成されるのは、2NE1以来、実に約7年ぶり。TWICEや防弾少年団など、K-POP界には新世代のビッグアーティストが続々と誕生し、“K-POPルネッサンス”と言っても過言ではない活気溢れる状況となっているが、BLACKPINKもまた、その一翼を担うことは間違いないだろう。そんな彼女たちの音楽性を紐解いてみたい。

 BLACKPINKは、ジェニー、ジス、リサ、ロゼの4人組ガールズグループ。ジェニーとジスは韓国でのデビュー前から、iKONやG-DRAGON(BIGBANG)のMVへ出演し、注目を集めていた。タイ出身のリサは、2010年にタイで行われたYGエンターテインメントのオーディションに合格したたった一人の人物で、その高いダンススキルに期待を寄せられていた。そしてオーストラリア育ちのロゼは、G-DRAGONの楽曲「Without You」にゲストボーカルで参加。その高い歌唱力は、「YGエンタの秘密兵器」とさえ呼ばれていた。

 2016年8月にデビューアルバム『SQUARE ONE』を発売するやいなや、シングル曲「BOOMBAYAH」と「WHISTLE」のMVはともに、瞬く間にYouTube上で一億回再生を達成。11月には2ndアルバム『SQUARE TWO』をリリース、シングルカットされた「PLAYING WITH FIRE」のMVの再生回数はまたもや一億を超え、昨年の韓国国内の音楽賞における新人賞を総ナメにしてしまった。

 まさにK-POP界におけるサラブレッドといえるBLACKPINKだが、その華やかさだけが彼女たちを一躍人気グループにしたわけではない。彼女たちのすべての楽曲には、“ヒップホップ”が強烈に刻印されている。韓国では、大ヒットTV番組『SHOW ME THE MONEY』によって、K-POPならではの独自の解釈を加えたヒップホップが浸透している。その最先鋭のサウンドこそが、BLACKPINKの楽曲なのである。

 日本においても『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』や『フリースタイルダンジョン』などのラップバトル番組によって、ヒップホップは徐々にポピュラリティを獲得しつつあるが、韓国では一足先に、『SHOW ME THE MONEY』によって、ヒップホップが音楽的にも売り上げ的にも、もっとも支持される音楽ジャンルに成長している。『SHOW ME THE MONEY』は当初、アンダーグラウンドでライムスキルを誇っていた実力派ラッパーによるバトルがメインコンテンツだったが、そのバトルにいわゆるアイドルグループのメンバーたちが参戦するようになって以来、“お化け番組”と称されるほどに視聴率が上がっていった。EXIDの女性ラッパーLE、VIXXのラビ、WINNERのソン・ミンホ、SEVENTEENのバーノン、MONSTA Xのジュホン、そして極めつけはシーズン3で登場したiKONの B.I.とBOBBY。中でもBOBBYは、その圧倒的なスキルによって遂にシーズンの王者に輝く事になる。

 アイドルグループの人気メンバーが、アンダーグラウンドで鳴らしてきた実力派ラッパーに挑む対決の構図は、まるで映画『8 Mile』で白人ラッパー・エミネムが黒人ラッパーたちから強烈にディスられるも、その逆境をバネに成長していくようなドラマチックさを生み、人々の熱狂と共感を呼んだ。繰り広げられるライムの応酬は高度になり、ヒップホップという音楽ジャンルに内包された奥深いエンタメ性が、テレビ番組によって多くの人々に理解された瞬間だった。

 そして現在、韓国では、ヒップホップ本来のサウンド的洗練と娯楽性を、そのまま楽曲に落とし込んだ作品が、ヒットチャートを席巻するポップミュージックとして成立している。その市場構造は、すでにアメリカの音楽シーンと同じで、ヒップホップの要素がなければヒットが難しいほどになっている。だからこそ、韓国のアイドルグループにはスキルを磨いたラッパーが必ず在籍しているのだ。

 防弾少年団が今年のビルボード・ミュージック・アワードで韓国人アーティストとして初受賞を果たし、海外では「新しいスタイルのヒップホップグループ」として着実に認知を得ているのも、日本でもブレイク寸前のTWICEの楽曲がヒップホップ的なサンプリング要素を必ず曲のコアに置いているのも、韓国内におけるヒップホップをめぐる環境が豊潤であることの証である。

      

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