新生E-girlsはどう進化する? 新体制の狙いを読む

 一方で、E-girlsはこれまでのようなプロジェクトではなく、1つのグループとして、FlowerやHappinessと並列になる。メンバー数も19人から11人へと変わり、パフォーマンスに最も大きな変化がありそうだ。また、E.G.familyの中にグループとしてのDreamがないことも気になるポイントである。

 各グループの路線を見る限り、新生E-girlsもポップ&カラフルな路線をさらに追求していくことは間違いないだろう。しかし、フォーメーションは刷新されるはずだ。発表されているメンバーを見ると、これまで前列でスピード感のあるパフォーマンスを披露していたSAYAKAとYURINO、長身を活かした優雅でダイナミックなダンスに定評がある楓、須田アンナ、佐藤晴美、坂東希、女優としても活動していて表現力が豊かな石井杏奈と山口乃々華、そして、それぞれ唯一無二の歌声を持つ鷲尾伶菜、藤井夏恋、武部柚那が名を連ねている。

 これまでよりセクションが明確であるため、パフォーマンスのキレやバリエーションはさらに増していきそうだ。たとえば、SAYAKA&YURINOコンビと、石井杏奈&山口乃々華コンビが、シンメトリーで方向性の異なるダンスをそれぞれ披露するなど、各パフォーマーの個性を活かした表現も目に浮かぶ。人数が減った分、各メンバーにかかる期待も大きくなるはずだが、彼女たちならきっと想像以上のパフォーマンスを見せてくれるはずだ。まずは新曲を楽しみに待ちたい。

 Dreamのグループとしての活動は現時点では未定だが、発表されたDreamメンバーのメッセージを見ると「今後はそれぞれのメンバーが名前に“Dream”を冠して、それぞれが自身の表現を追求していく」とのこと。ちなみに、Dream Shizukaが専念するDANCE EARTH PARTYには、EXILE ÜSAとEXILE TETSUYAがいるが、彼らは今後もEXILE TRIBEの一員であることに変わりない。DANCE EARTH PARTYは、「EXILE TRIBEとE.G.familyの架け橋という位置付け」だという。

DANCE EARTH PARTY

 プロジェクトとしてのE-girlsは、各メンバーが成長を遂げたことで、ひとつの到達点を見た。今後はE.G.familyとして、さらに多様性に富んだ表現を見せてくれるのだろう。思えばEXILEも、ひとつのステージをクリアーするごとに、その組織をドラスティックに変革し、他に類を見ない進化を遂げてきたグループだ。現状に甘んじることなく、常に進化を求める姿勢こそが、LDHが掲げる「エンタテイメントの追求」そのものなのかもしれない。

(取材・文=松田広宣)

E-girlsオフィシャルサイト

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