大幸薬品による<SEIROGAN UTILITY RECORDS>、企画趣旨と今後を同社担当者に聞く

 大幸薬品株式会社が、WEB上で音楽と組んだ新たな取り組みとして<SEIROGAN UTILITY RECORDS>を5月15日よりスタートした。同サイトではEVISBEATSとMICHEL☆PUNCHによる「ポジティブになる音楽」、やけのはらによる「緊張をほぐす音楽」、Kan Sanoによる「集中する音楽」、PandaBoYによる「やる気が出る音楽」、「イライラをなくす音楽」という医学的に“効く”音楽5曲が無料配信されている。製薬会社による新レーベルということで、音楽ファンの間で大きな話題となった<SEIROGAN UTILITY RECORDS>の趣旨について、大幸薬品株式会社の担当者に話を聞いた。

「お腹のトラブルでトイレにいる時間は平均6分32秒(自社調べ)といわれています。同じ時間を過ごすのであれば、より有意義な時間にしたいものです。お腹のトラブルを正露丸で早く治し、今回配信している楽曲を聴いてポジティブで明るい時間を過ごしていただきたい、という願いを込めて今回の企画を行なっております」

 実は今回配信されている楽曲はどれもお腹のトラブルでトイレにいる時間と同じ6分32秒で、TVCMなどでもおなじみの“ラッパの音楽”を各アーティストがリミックスしたもの。純粋に楽曲としてのクオリティも高く、耳の肥えたリスナーからも支持を受けている。サイト上には“「効く」音楽レーベル”とあるが、<SEIROGAN UTILITY RECORDS>は今後どのような動きを見せるのだろうか。

「“レーベル”とありますがアーティストの方が所属したり、CDを発売するというわけではなく、あくまで『お腹と時間の意外な関係』という企画におけるコンテンツの一つになります。ラジオなどでもオンエアしていただいているリミックス曲は、約1カ月限定での無料配信を予定しています」

 今回の<SEIROGAN UTILITY RECORDS>は期間限定の取り組みであるが、Red Bullが音楽学校・Red Bull Music Academyやレコーディングスタジオ・Red Bull Studios Tokyoなどを設立したり、LINEが音楽レーベル<LINE RECORDS>を立ち上げるなど、音楽業界以外の企業が継続的に音楽に携わる例も増えている。意外な企業が音楽業界に参入することで、業界全体のあり方に一石を投じることとなるかもしれない。また、業種の枠を超えて新たな取り組みを行なうことで視野が広がり、これまでに類を見ない音楽やアーティストが生まれたり、音楽そのものの売り出し方が大きく変化することもあるだろう。今後も各社の音楽に対する新しい向き合い方を注視していきたい。

(文=村上夏菜)

お腹と時間の意外な関係
SEIROGAN UTILITY RECORDS特設ページ

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