スダンナユズユリー『OH BOY』リリース特別企画
スダンナユズユリー × DJ DARUMA × A&R櫻井克彦『OH BOY』ヒップホップ座談会
スダンナユズユリー、そしてLDHにとってのヒップホップとは
ーー若い世代の彼女たちが、これほどヒップホップに夢中になっているのはすごく頼もしいです。日本におけるヒップホップの現状を、櫻井さんとDARUMAさんはどう捉えていますか?
櫻井:今はフリースタイル・バトルなどの影響もあって、ヒップホップが盛り上がっていますね。何度も日本でヒップホップが流行したことがあったのですが、その度にブームとして消費されてしまいました。もちろん、ヒップホップが消えたわけではなかったけれど、メインストリームまで席巻するような勢いはなくなっていった。その反省もあるからこそ、今回は単なるブームではなく、ちゃんとカルチャーとして定着して、良い作品が多くの人に届くようになれば嬉しいです。そのためにも、メインストリームで通用する間口の広いヒップホップは必要です。そういう意味で、ヒップホップの4大要素(ラップ、DJ、ダンス、グラフィティ)をちゃんと踏まえて、なおかつポップスターとしての才能を持ったスダンナユズユリーには大きな期待をしています。
DARUMA:僕が近年、すごく大きい出来事だと思ったのは、KOHHの出現でアジアのヒップホップが一気に変わったと感じています。そして韓国のラッパー・Keith ApeがKOHHらとフィーチャリングして発表した「잊지마(It G Ma)」が世界的にヒットしたこと。彼等のスタイルは流行を踏襲しながらも独自性があり、しかもアメリカのヒップホップリスナーにも受け入れられた。アジアのヒップホップを世界に発信していくには、またとないチャンスだと考えています。櫻井さんが言うように、今回の波を“ラップブーム”として終わらせないためにも、日本のヒットチャートに新世代のヒップホップを送り出すのは、90年代からこの文化に携わってきた僕たちの責任でもあると捉えています。そしてその延長としてアジア発のヒップホップカルチャーを永続的に生み出していきたいです。
ーーガールズヒップホップのグループというのも珍しいし、フレッシュですよね。
櫻井:ヒップホップは自己主張と承認欲求の強い、割と男社会のカルチャーなので、これまで女の子が挑戦しにくかった部分もあると思います。加えて、自分で歌詞を書くのでグループとしてまとめていくのはさらに難しい。ましてや、ラップだけでなく歌とダンスを兼ね揃えたグループとなると……。
DARUMA:あと、カワイイ! これも重要なファクターですよ。
櫻井:そう、カワイイ(笑)。こんなグループはほかにないと思います。
ーースダンナユズユリーもそうですが、ELLY(三代目J Soul Brothers)さんがCRAZYBOY名義でヒップホップに挑戦するなど、LDH全体がヒップホップの色を濃くしている印象も受けます。改めて、LDHにとってのヒップホップとは?
DARUMA:もともとHIROさん自身がヒップホップを通ってきた人なので、アーティストがきちんとそれぞれの責任を持って挑戦するのなら、会社でバックアップしていこうという体制は確実にあります。繰り返しになりますが、今は日本にヒップホップ文化を根付かせる大きなチャンスで、その意味でもLDHの役割は大きいと考えています。アジア全域やアメリカなど、世界のヒップホップシーンと協力体制を取ってシーンを発展させていきたいですね。
スダンナ:私たちが好きで影響を受けたものを、スダンナユズユリーを通して発信することで、同世代の女の子が「ヒップホップってかっこいいんだ」って興味を持ってくれたら嬉しいですし、いつかは女の子がカラオケでラップをするのが普通になるくらいに浸透させたい。それが、LDHに所属する私たちだからこそできる、ヒップホップへのアプローチなんだと思います。そのためにも等身大の自分たちで楽しみながら、音楽への探究心を磨き続けていきたいです。
柚那:今回はデビューシングルなので、キャッチーな楽曲ですが、もっとヒップホップ色が濃い楽曲や、「女の子がこんな曲をやっちゃうの?」ってびっくりされるぐらいハードな楽曲にも挑戦したいですね。加えて、ライブもたくさんやって、いつかは観に来てくれたファンの方々も一緒に踊ってしまうような、そういう空間を作っていけたら。
YURINO:E-girlsからの派生グループなので、今はもともとのファンの方々が応援してくれている状況だと思います。ファンの皆さんを大事にして期待以上のものを届けるとともに、さらにその枠を広げて、ヒップホップが好きな人々にも支持されるようなグループに成長していきたいです。
(取材・文=編集部/写真=石川真魚)
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■リリース情報
『OH BOY』
発売:2017年3月1日(水)
価格:CD+DVD¥1,800 (本体価格)+税
CD ¥1,200 (本体価格)+税
<CD収録内容>
1. OH BOY
2. First Time
3. こんにちWhat's Up
4. OH BOY -Instrumental-
5. First Time -Instrumental-
6. こんにちWhat's Up -Instrumental-
<DVD収録内容>
OH BOY (Music Video)
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