森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.36
水カン、MYTH & ROID、イトヲカシ、NEWS、THE BAWDIES…メンバーの関係性が生む「化学反応」に注目
4人体制での最初のシングル『チャンカパーナ』(2012年7月)から約4年半が経過し、メンバー同士のリレーションもさらに良くなっている感のあるNEWS。メンバーそれぞれが専門的な部分やセンスを発揮し続けているが、グループとしての魅力がもっとも端的に示されるのがやはり楽曲だ。いまやNEWSの音楽に欠かせない存在となったヒロイズム(「チャンカパーナ」「恋を知らない君へ」など)の手によるニューシングル曲「EMMA」はスカのリズムを基調としたノスタルジックなアップチューン。独特のハイトーンボイスを響かせる手越、言葉を丁寧に伝える加藤、温かみのある声質で楽曲の世界観を深める増田、大人っぽさを増した歌声が印象的な小山のボーカルがひとつになり、「EMMA」という楽曲のメッセージを的確に伝えることに成功している。ボーカルグループとしての魅力にもぜひ注目してほしい。
オーセンティックなロックンロール、R&Bに対する尽きぬことのない愛情、デビュー以来、揺らぐことのない演奏スタイル、メンバー同士の仲良しワチャワチャ感など、これだけでキャリアを重ねても“これだけ一致してたら、バンドやるのが楽しいだろうな”というイメージを発信し続けるTHE BAWDIES。NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)、長岡亮介(ペトロールズ)が参加した本作『NEW』は“もう一度、新しい世代に向けてロックンロールの魅力を伝えるんだ”という意思に溢れた作品に仕上がっている。音楽的価値観を共有し、同じ目的に向かって進みながら、常に”NEW”な状態をキープする。THE BAWDEISの関係性はまさにバンドの理想と言えるだろう。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。