NY武者修行を経て、世界標準のガールズ・グループへーーJ☆Dee'Zが遂げた進化のウラ側に密着

 ami、MOMOKA、NonoによるJ☆Dee'Zが、変革の時を迎え、世界標準のガールズ・グループへの階段を登ろうとしている。

 J☆Dee’Zは、2010年に“キッズダンスグループのカリスマ”として結成され、2012年にはLOTTE×ソニーミュージック主催のオーディションで約8000組の中からグランプリを獲得すると、2014年にはメジャーデビュー。これだけを見ると、トントン拍子に進んできたように見えるが、実際はそうではない。長年一緒に歩んできたメンバーの卒業や集客難などの苦労、グループ解散のピンチも乗り越えた7年間を経て、現在の体制となっている。

その濃密な7年間にあわせ、音楽性が様々な変化を見せている部分も興味深い。デビューシングルではダンスミュージック・ヒップホップをベースとしたポップサウンドを表現し、以降は「だいすき」「ニャゴニャゴジャンケンのうた」と、ポップスであることに軸足を置いた作品が続いていた。しかし、2016年8月3日にリリースしたシングル『Dream Arch』以降、12月7日発売の配信シングル『MORNING HOPE / JINGLE LOVE』、そして3月1日にリリースする5thシングル表題曲『Answer』とその方向性がどんどん変化していく。

 管楽器の音色が心地よく響き、彼女たちが持つパワフルなユニゾンボーカルがどの曲よりもハッキリと表に出た「MORNING HOPE」、少しレトロでキャッチーなシンセと電子ドラムのフレーズを取り入れたダンスナンバー「JINGLE LOVE」、そしてLittle Glee Monsterの楽曲や清水翔太のアレンジを手がけるSoulifeの細やかなサウンドプロデュースが行き届いた強度の高いポップス「Answer」。リリース順に聴くとよりその成長を実感することができる。また、「Answer」の振付を担当したのは、欅坂46「サイレントマジョリティー」などを手がけ、2016年のJ-POPシーンを牽引したTAKAHIROこと上野隆博氏。ボディパーカッションを取り入れ、楽曲の良さ・生々しさをさらに引き立てることに成功したりと、歌以外の部分もしっかりと強化されているのだ。

 

 そして話は冒頭へと戻る。変化を遂げ、音楽的にも成長を果たした彼女たちは、1月17日から21日までの間、アメリカ・ニューヨークでの武者修行へと旅立った。マディソンスクエアにユニオンスクエア、そしてストリートパフォーマンスの名所・タイムズスクエアと、自分たちのことを1人も知らない環境に身を置き、ぶっつけ本番でストリートライブを行なった。

 「今の自分たちの力を試し、自分たちの今の答えを見つけたい」(Nono)ーー武者修行挑戦前にそう啖呵を切った彼女たちだが、実際は「表では『頑張ります』とか言ってたけど、ハッキリ言って99%くらい不安のほうが大きかった」(MOMOKA)と武者修行を終えた彼女たちは語る。だからこそ不安を消すため、少しでも自分たちに自身を持つため、渡航までの期間もなるべく話し合って練習を積み重ねてきた彼女たちだが、「NYに行く前と、NYに行ってからでは『頑張れ』って言葉の受け取り方がぜんぜん違うなって。行く前の『頑張れ』がすごくプレッシャーに感じちゃったりして怖かった」(ami)と現地に着くまではネガティブな気持ちを払拭できなかったようだ。

 

 そんな感情も“修行”が始まり、苦境に立たされれば引き締まる。アメリカのストリートを歩く人たちは来るものを拒まず、初めは温かく迎えてくれたが、パフォーマンスが少しでも綻びがあるとすぐに去ってしまったそう。観客の目と耳は正直だ。場所によっては誰も見向きもせず立ち止まってもくれなかったりと、シビアな環境であることを実感させられたという。さらに、「そのときは治安がよくない場所だったみたいで、うちらのことを見て笑ってる人ともいた」(MOMOKA)という。さらに、武者修行が行なわれていたのは真冬のニューヨーク。そんな中でも、彼女たちは寒い中で人を立ち止まらせるために声をかけ、ボディーパーカッションで気づかないうちに手が切れ、アザだらけになりながらも歌い踊り続けた。「一曲3分間の間に人の足を止めるのってこんなに難しいんだ」(ami)、「曲と曲の間の段取りをしているだけで『もう終わり?じゃあね』ということもあって。5秒、10秒パフォーマンスを止めることがどれだけ大変か……」(Nono)と、改めて“音楽を聴いてもらう”難しさを思い知ったとこぼした。

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