結成20周年記念アルバム『1996 FIND MY WAY』インタビュー
THE SLUT BANKS、結成20周年で思うこと「いやらしい気持ちがあったらバンドは長く続かない」
「良いチームでやれちゃってる」(TUSK)
ーーそして新曲が7曲。ミニアルバムという形になっていますが、これは当初の予定より増えた結果だとお聞きしました。
戸城:最初は3〜4曲くらいで考えてたんだけど。「できちゃったから入れよう、とりあえず録っちゃえ」というノリで、9曲くらい録れた。それで7曲入れた。
ーーTHE SLUT BANKSらしくもあり、戸城さんらしいキャッチー性が炸裂しつつバラエティに富んでる7曲ですよね。リードにもなってる「RUN GIRL LOVE」はJロック的なおいしさが随所に散りばめられているような。
戸城:ヒット曲を狙ってるかもしれないね(笑)。
ーー同時に良い意味での“メジャー感”みたいなものも感じたんです。そこは前作で得たメジャーという環境の変化も少なからず影響したのかなと思ったのですが。
戸城:しがねぇバンドだから。もう、おじさんだしさ、それこそ伸びしろもあるわけじゃないしさ。そこに力を貸してくれるのはありがたいからさ。そんな期待に応えられるように頑張りたいなという気持ちで夢中になって作りましたね。最初はありがちのベスト盤に新曲がいくつか入ります、っていう感じだったんだけど。作っていくうちに2枚組、3枚組となり……。おかげで豪華で良い思い出になりました(笑)。
ーー一応お訊きしておきますが、新作に関して新たな試みのようなところは……?
TUSK:それが、残念なことにないんですよ〜(笑)。(メンバーに向かって)これ、今度レコーディングするとき考えようよ。毎回訊かれるよ。新しいこと試みようぜ。 あ、ドラム、なんかこだわってなかった?
カネタク:え、あ、あの……。
戸城:こだわったことにしようぜ(笑)。
ーーそれだけ音に対する自信もあるし、バンドの状態も制作環境も安定しているということですよね。
TUSK:そうなんですよ、良いチームでやれちゃってるんでね。
戸城:それが良くもあるし、悪くもあるところだな(笑)。
ーー今年2016年の印象的な出来事として、『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』への出演がありましたが、いかがでした?
戸城:楽しかったし、出てよかったなと思いましたよ。
坂下:このとき、ちょうどこの新作のレコーディングをしてたんですよ。だから余計に印象深いイベントでした。
戸城:それにしても、朝からあれだけたくさん集まっているお客さんのパワーは本当にすげぇなと思いましたね。
坂下:朝7時くらいから、みんな物販に並んでるんだもんね。
戸城:これも一つの大きな文化なんだなと。
ーーそうした「ヴィジュアル系」文化に入ることに対して、抵抗みたいなところはありませんでしたか?
戸城:全然。自分たちはそうだと思ってないし。だって、出演バンドの中で衣装代一番安いよ、俺ら。
(一同笑)
戸城:でも、それがきっかけで知ってくれる人がいればありがたいことだし。ヴィジュアル系だろうが、メタルだろうが、パンクだろうが、呼ばれたらどこでもいけるスタンスだから。
ーーそういう新たな層へ向けて、のベストでもありますね。
坂下:初めて聴く人にとってはうってつけだよね。新曲もたっぷり入ってるから単純なベストではないし。
戸城:いつの時代にもいるロック好きの若い世代に聴いて欲しいねぇ。
TUSK:リマスタリングとSHM-CDっていう最新で最強な形を、ぜひ感じていただきたい。
戸城:おい、本当に解ってるのかよ(笑)。
TUSK:とにかく、カッコイイ音になってますよ。