『SMAP×SMAP』放送終了に寄せて アイドルとバラエティの可能性広げた開拓史

SMAPの力で日本を一つに

 数々の特別企画もスマスマの偉業といえる。社会が不安に包まれたとき、真っ先に立ち上がったのがSMAPとスマスマだった。2007年には社会問題になったいじめについて真剣に意見を交わす企画を実施。また東日本大震災の直後には、「いま、僕たちに何ができるだろう」と緊急生放送で日本中に元気を届けた。復興に向けた義援金の呼びかけも5年以上続け、メッセージを収録のたびにあらためる姿勢は、多くの人の心を動かした。

 また、記憶に新しいのが2013年に放送された、結成25周年を記念した5人旅スペシャル。芸能界の大御所となったSMAP。多忙を極める5人がスケジュールを合わせて旅行なんて、と誰もが耳を疑った企画もやってのけたのだ。テーマパークで少年のように無邪気にハシャぎ、夜のカラオケシーンでは名曲「BEST FRIEND」に胸を熱くした中居が涙を流すというドラマチックな展開も。限りなくプライベートに近い5人の姿を見て、テレビの前の誰もが笑顔になったはずだ。

 スマスマが、これだけ長く愛されてきたのは、SMAPをお飾りのアイドルではなく、メンバーの人間的魅力やグループの絆にスポットライトを当ててきたからではないか。いつだって、スマスマはSMAPと共に視聴者を楽しませようと真剣勝負だった。そんなスマスマのファイナルに、ポーズだけの演出は似合わないと思う。12月26日は、ありのままのSMAPへの感謝、そしてファンとスタッフからの愛に溢れる時間になることを願っている。

(文=佐藤結衣)

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