VR×音楽はここまで来た! L'Arc-en-Ciel×BIOHAZARD(R)コラボMVを体験してみた
日本を含む世界の音楽業界では、ここ数年でVR(Virtual Reality:仮想現実)の技術を用いたMVが次々と登場している。
2014年末にOculus Riftを用いて「Dance In The Rain」のVRMVを製作した倖田來未、2015年にはGear VRやスマートフォンで楽しむことができるU2の「Song for Someone」のVRMVが登場。2015年3月前後にYouTubeが360°動画への対応をスタートして以降、その数はさらに増加している。アヴィーチーの「Waiting for love」やテイラー・スウィフトの「Blank Space」などの海外勢をはじめ、日本ではスマートフォンと組み合わせることで簡易的にVRを体感できるキット「ハコスコ」を使用したPOLYSICS「アルプスルンルン」など、対応するデバイスも新たに加わり、ライトなものから専用機器を要するものまで、幅広いラインナップで楽しむことができる。
ほかにも専用の機器を必要としないAR(Augmented Reality:拡張現実)コンテンツが近年は登場するなど、映像技術は日々進化しているが、VRの魅力は何より没入感にあるといってもいいだろう。例えば、今年販売開始されたPlayStation® VR(以下、PSVR)は、イヤホンもセットになったVRキットが特徴であり、音声まで360°サラウンドで立体的に聴こえてくる。現在は『アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション』や『コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア ジャッカルアサルトVR』など、有名ゲームのVRバージョンも登場している。
そんなPSVRに対応するVRMVを製作し、11月17日にリリースしたのはL'Arc-en-Ciel。彼らは新曲「Don't be Afraid」をVRミュージックビデオ「Don't be Afraid -Biohazard®×L'Arc-en-Ciel on PlayStation®VR-」としてPlayStation®Storeで配信を開始した。デジタルキャラクター化されたメンバー4人がゾンビたちと戦う様子が360°CGで体感することができる。
この度、リアルサウンド編集部ではPSVRを購入し、早速同VRMVを体験してみた。その感想を以下に記したい。
冒頭はゲーム『BIOHAZARD』シリーズ(正確には『BIOHAZARD 2』や『3』)と同じ舞台・ラクーンシティからスタートーーと思いきや、右斜め後ろを見るとそこには「L’Arc-coon- City」の文字が。このような細かい遊びが込められるのもVRMVならではだ。すると車が目の前に止まり、「車に乗る」「車に乗らない」の選択肢が登場。「乗る」を選ぶと、ピアノの旋律から始まる「Don't be Afraid」のイントロが流れ出し、景色が車内に変わったところでVRMVの上映がスタートした。
そこから切なげな楽曲が鳴り響く中、ゾンビが襲来する非現実的な空間へと誘われ、S.T.A.R.S(作中に出てくる特殊部隊)の隊員に扮したL’Arc-en-Cielのメンバーに命を助けてもらったり、追跡者(『3』に登場する作中の最強生物)がメンバーを襲ったりと、瞬く間に事態は急転。楽曲の終わりとともに、衝撃のエンディングを迎える。
楽曲自体の完成度もさることながら、何よりこのMVの完成度が凄まじい。各メンバーの再現度は高く、カプコンのフォトスキャン技術を駆使し100台を超えるカメラで撮影しメンバーを3DCG化、さらにメンバー本人がモーションキャプチャーを行なったため、キャラクターの動きも自然で『BIOHAZARD』の世界に見事に溶け込んでいる。また、先述の追跡者や『2』の主人公の一人であるシリーズの人気キャラクター・レオンなど、ゲームファンが喜ぶ要素も随所に散りばめられている。この完成度の高く、没入感を味わえるVRMVが世に届けられたというだけでも、両者がタッグを組んだ意味は大きいし、『BIOHAZARD』とコラボしたからこそ、RE ENGINEなどの最新CG技術が使用され、圧巻のクオリティが実現したといえる。
今後はライブのVR配信なども盛り上がっていきそうな音楽業界だが、アートフォームとしてのVRMVも、まだまだ大きな可能性を秘めているだろう。2017年はこれらの環境がどこまで充実し、面白いコンテンツが生み出されていくのか。L’Arc-en-Cielの蒔いた種が芽吹くのを楽しみにしたい。
(文=中村拓海/画像提供=(C)2016 Ki/oon Music (C)CAPCOM CO., LTD. (C)Sony Interactive Entertainment Inc.)
■リリース情報
『Don't be Afraid』
発売日:2016年12月21日(水)
・完全生産限定 BIOHAZARD(R)×L'Arc-en-Ciel盤(CD+BD)
価格:¥4,968(tax in)
<収録曲>
1. Don't be Afraid
2. Cradle -L'Acoustic version-
3. Don't be Afraid(hydeless version)
4. Cradle -L'Acoustic version-(hydeless version)
5. Don't be Afraid -English version-
-Bonus Track-
Member's Voice from -Biohazard(R)×L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR-(hydeless version)
Member's Voice from -Biohazard(R)×L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR-(hydeless version)
Member's Voice from -Biohazard(R)× L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR- (tetsuya version0
Member's Voice from -Biohazard(R)× L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR- (yukihiro version)
-Blu-ray Disc-
Don't be Afraid -Music Clip-
「Don't be Afraid -Biohazard(R)× L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR-」 -6 Sided Multi View Movie-
「BIOHAZARD(R)」-20th Special History Movie-
「BIOHAZARD 7 resident evil」 TAPE-1
・初回生産限定盤(CD+BD)
価格:¥2,100(tax in)
1〜5まで同じ
-Blu-ray Disc-
Don't be Afraid -Music Clip-
・通常盤(CD)
価格:¥1,400(tax in)
1〜5まで同じ
<完全生産限定 BIOHAZARD(R) × L'Arc-en-Ciel盤詳細>
・パッケージはLPサイズで、角度によって絵柄が変わる特殊仕様レンチキュラージャケット(-Human × Zombie-)。
・CDには、Bonus Trackとして、「Don't be Afraid -Biohazard® × L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR-」でしか 体感することができない、ゲーム『バイオハザード』シリーズの名シーンから開発チームによって厳選された名セリフを発するメンバーヴォイスを特別厳選収録。
・付属BDには、「Don't be Afraid」-Music Clip-に加え、 世界初の試みで話題になったPlayStation(R)VRでの360°VRミュージックビデオを6分割2D化した「Don't be Afraid -Biohazard(R) × L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR-」 -6 Sided Multi View Movie-や、20周年を迎えた「バイオハザード」のヒストリー映像「BIOHAZARD(R)」-20th Special History Movie-、 ゲーム「バイオハザード7 レジデント イービル」のトレーラ「BIOHAZARD 7 resident evil」TAPE-1を収録。
・CG化したメンバー(Human / Zombie)の両面B2ポスターや、 VRミュージックビデオの絵コンテブックも封入した豪華仕様。
■特典情報
『CDショップ店頭先着購入者特典』
・BIOHAZARD(R)× L'Arc-en-Cielショッピングバッグ
全国CDショップ対象店舗にて、「Don't be Afraid」【完全生産限定 BIOHAZARD(R) × L'Arc-en-Ciel盤】、【初回生産限定盤】、【通常盤】の3形態のうちいずれかを予約、または購入後、先着で「BIOHAZARD(R)×L'Arc-en-Cielショッピングバッグ」をプレゼント。対象店舗は、オフィシャルHPにて後日告知。
※特典の有無は、各CDショップに要問い合わせ。オンラインショップでは特典の運用はなし。
※無くなり次第終了。