嵐が“好きな理由”に変化あり? 「好きなアーティストランキング」7年連続首位の背景を探る
オリコンによる恒例企画『音楽ファン2万人が選ぶ“好きなアーティストランキング”2016』が発表され、嵐が7年連続の総合首位を獲得した。2004年より続く同企画では前人未到の快挙となる。
ランキングはOMR(オリコン・モニターリサーチ)に登録した会員に世代別アンケートを実施。嵐は10代、20代の部門で1位を獲得し、30代でも6位に輝いた。
オリコンの特設サイトには、投票者からのコメントも多く寄せられており、嵐が選出された理由として「雰囲気の良さや仕事に対する姿勢が尊敬できる」など、パーソナルな部分に惹かれている人が多かったようだ。今回の結果を受けて、改めて嵐が高い人気を誇る理由を、芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。
「嵐は、いまや“仲のいいアイドルグループ”の代名詞となる存在です。最近では、プライベートでもメンバー同士で遊ぶというエピソードはあまり聞かれなくなりましたが、それでもお互いの信頼関係がにじみ出るようなコメントが目立ちます。11月11日深夜にオンエアされた相葉雅紀さんのラジオ番組『レコメン!アラシリミックス』(文化放送)でも、『嵐でカラオケに行ったときには、嵐の曲しか入れない。自分のパートではないところは、メンバーにマイクを渡す』といった微笑ましいエピソードも語られました。自分たちの曲とメンバーに対して、強い愛着を持っていることが感じられる一幕でしたね」
とはいえ、嵐も気づけば全員30代。同世代のみならず、10代や20代の新たなファンが生まれていくのは、なぜなのか。佐藤氏は以下のように分析する。
「やはり、テレビ露出の多さはあると思います。テレビ離れが叫ばれている昨今ですが、家族みんなで楽しめるゴールデンタイムのバラエティ番組は、お茶の間の中心となるもの。そこで、ソロでもグループでも、楽しそうに仕事に取り組むメンバーの姿は、安心して見ることができます。彼らが世代を越えて愛される存在になったのも納得です。また、CMやドラマ主題歌で使用される曲も多く、たとえば学校生活でも行事でダンスをしたり、カラオケで友人同士パート分けして歌ったりと、生活の中に嵐の楽曲が溶け込みやすいのかもしれませんね」
投票コメントの中には、5人のパフォーマンスのまとまりや、ライブ演出が長けているからという声も目立った。年々、音楽面に対する評価が上がっているのも嵐の強さだと、佐藤氏は続ける。
「嵐のコンサートは、松本潤さんが演出部分も手がけています。ジャニーズの中でも、先駆者的な存在として広く知られています。ファンが何を求めているのか、そしてメンバーが何を表現したいのかを、しっかり汲み取ることができるバランス感覚に優れているのでしょう。アイドルらしさ全開のダイナミックなステージから、上品なアーティスティックな演出まで、様々な角度から嵐の魅力を披露できるのは、他ならぬ嵐のメンバーだからかもしれません。また、嵐のメンバーは、みなさん演技の面でも高く評価されている方々ばかり。曲に合わせて表現できる幅が広いのも、強みと言えそうです。歌って共感を呼び、踊って感動を呼び、話して笑顔を届ける……全方位で観客を魅了するのですから、やはり1位にふさわしいグループですね」