4thワンマンライブ『お台場で迸るネッサンス!!』インタビュー
アイドルネッサンス運営が語る、これまでとこれから “楽曲の物語性”をどう更新してきたか?
「ワンマンは次の領域へタッチできるきっかけに」(照井)
――先日の大阪のツアーファイナルでは、最後の「Funny Bunny」をアカペラで披露するといった場面もありました。ああいうライブの現場の熱を映像にパッケージするということも大事にしているのではないでしょうか?
中野:そうですね。あれは数日後に出したんです。速報性があったほうがいいなって思いました。
照井:あの日のライブは、他の公演と比べても、かなり熱がありましたね。できる限りすぐにそれを見てもらいたかった。来れなかった人にもそれを見てライブに来たいと思ってもらいたいし、来てもらった人も見返してもらいたいし。興味がない人にも、ライブコンテンツは充実しているから、ぜひ見てもらいたいですね。
――「君が知らない物語」の動画もライブならではのものですね。ただ曲を聴かせるだけでなく、現場にしかない熱と物語を作ってそれを伝えるという発想もあるんじゃないかと。
照井:そうなんですよね。だから、中野さんには初期からライブ動画を1カメでいいから撮ってすぐ出したいとは言っていて。現場の熱量を感じられるものを出して、お客さんに興味を持ってもらうことはずっとテーマにしています。
――ライブでの選曲やセットリストの並べ方でも、そういった物語性や熱量がどう生まれるかを意識しているんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
照井:そこは、レーベルの<T-Palette Records>担当者が中心になって、かなり考えています。あの日に「Funny Bunny」をアカペラで歌うことも、最初から決まっていたわけじゃなくて、現場のバイブレーションでそうしようということになった。
――メンバー発のアイディアだったんですか?
照井:レーベル担当者の発案です。ただ「Funny Bunny」を歌いたいっていうのはメンバーからの声でした。人数が変わったので、8人バージョンの振付が出来ていなかったんです。でも、歌いたいっていう声がすごくあった。だから、最後に感謝を込めてアカペラで歌うのはどうですか? って発案があって、メンバー一同やりましょうってなったんですよね。
――『Funny Bunny』はメンバーが新体制になってから初のシングルでしたよね。ターニングポイントだからここに持ってきたということでしょうか。
照井:あとは歌詞ですよね。この曲は本人たちにとっても大事な曲になったんです。<君の夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ>っていう言葉は、昔の彼女たちにはなかなか歌えなかったと思うんですけど、2年半頑張ってきて、そういう歌を自分たちなりに発信する気持ちが強くなったのかなと思います。
――the pillowsの曲に、山中さわおさんが歌うのとは別の新しい物語性が生まれているわけですね。
照井:そう感じていただいている方がいるのなら、やっているうちに生まれてきたのかもしれません。曲が持っている力が前提にあるし、そこに本人たちの思いが乗って、そこにお客さんのバイブレーションが加わって、新しい物語が生まれているということかもしれません。やっぱり、全部の曲に作ったアーティストの思いがあるから、その思いをメンバーが頑張って考えて、感じて、自分たちなりにちゃんと表現をしようっていう気持ちになっていないとなかなかそういうものは生まれないと思います。
――いろんなカバー曲の中でも、個人的にはKANA-BOONの「シルエット」のカバーがすごくよかったです。同時代の曲がすごくハマっている。
中野:そう言ってくれる人、多いですよね。
照井:「シルエット」は、彼女たちがすごく共感できる世界なのかもしれないですね。同時代の曲が彼女たちにハマるのは、やっぱり彼女たちが生きている時代の空気が詰まっているからだと思うんです。「ガリレオのショーケース」もそうで。だから古い曲だけじゃなくて、新しい曲も含めて、時代も問わずにやっていこうと思うんです。
――「君の知らない物語」も、今の彼女たちに物語性がマッチしていますよね。
照井:様々な経験を重ねて、成長する機会を経たからこそのチャレンジでした。新体制の8人での初めてのシングルでしたので、新しい物語を紡いでいく彼女たちにチャレンジしてもらいたいと思って取り組ませていただいた曲です。メンバー世代にとって、とてもなじみ深いヒット曲ですから、純粋にこの歌が歌えるということにもの凄い喜びを感じていたようです。
――8人体制以前からのレパートリーを8人で初披露する時にも、そのタイミングでのスペシャル感がありますよね。
照井:現在のメンバーのバイブレーションは現在進行形ですから、そのバイブレーションが、楽曲に新しい何かを加えているのかもしれません。
中野:新しい2人に積極的に歌わせているところも大きいですよね。
照井:やはり、この8人にしか生み出せないものを目指してほしいというのが大きいです。
――11月6日にはZepp DiverCityでワンマンが行われます。これはバンドセットでの初ワンマンということですけれども。これは前々から考えていた?
照井:そうですね。バンドでやってほしいっていう声も大きかったし、バンドの曲やシンガーソングライターの曲をカバーしていますから。あとは、本人たちの表現力の一段階上を目指したいっていう、スタッフ一同の願いもあります。ワンマンライブでは彼女たちが次の領域へタッチできるきっかけになったらいいなと思います。これまで彼女たちが積み重ねてきた「歌とダンスで名曲を表現する」というものに生演奏というさらなる肉体が加わる。そのことで、彼女たちの表現力や楽曲の醸し出す世界観がさらに増幅され、これまで来ていただいた方も、そうでない方にも、さらに楽曲の魅力が伝わるのではないかと思います。高みを目指す彼女たちのパフォーマンスを是非観てもらいたいと思います。
(取材・文=柴 那典)
■ライブ情報
アイドルネッサンス4thワンマンライブ『お台場で迸るネッサンス!!』
開催日時:2016年11月6日(日)
開場:14:30/開演:15:30
会場:Zepp DiverCity(TOKYO)
出演:アイドルネッサンス
オワリカラ/炭竃 智弘/園木理人
オープニングアクト:AIS(アイス)-All Idol Songs-
スペシャルゲスト:堂島孝平、ヒサシ the KID
チケット詳細