WIZYが打ち出す“共創型クラウドクリエイティング”とは? 新プラットフォームの責任者に訊く

WIZYの打ち出す“クラウドクリエイティング”とは

 また、WIZYはこれまでレコチョクが立ち上げてきたサービスとの連携も予定しており、同社が運営する『クラブレコチョク』メンバー(会員数約1000万人)を巻き込んだ提案や、インディーズ・アーティストの音楽活動を支援し、未知のアーティストと出会えるサービス『Eggs』を通じての支援も行なっていくという。具体的には、新曲新譜をレコチョクで購入し、そのアーティストがWIZYでプロジェクトを立ち上げた場合は購入者へいち早く案内したり、『Eggs』から頭角を現したニューカマーの支援なども行なうようだ。この狙いについて、斎藤氏は「僕らは音楽業界内ではITに強い会社なんです。弊社は日本的なコンテクストでの音楽の聴き方も知っているし、この2つがクロスする領域で音楽に特化したサービスとして、人の温もりや良い意味での泥臭さを届けていきたいですね」と“最先端のIT技術を駆使する音楽企業”ならではの優位性を語っている。

 最後に、斎藤氏はサービスの状況について「まずはサイトの認知を広げ、事例を作っている段階」とし、現在はメジャーフィールドで活躍するアーティストを中心にしていることを明かした。また、「アルバム音源を作る」といったシンプルな取り組みをしないのかという問いには、「もちろん、そういった取り組みも展開していただきたいと思っていますが、そのときも、必ず『一緒に曲順を決める』や『レコーディング現場に参加する』といった、参加型・共創型のものにしていきたい」と返答した。

 音楽に特化し、コンセプチュアルに運用することで、独自性・優位性を獲得しつつあるWIZY。同社はこの先、音楽シーンへどのように寄与していくのだろうか。

(取材・文=中村拓海)

■関連リンク
https://wizy.jp/

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