FUKIが歌う恋模様はなぜ10代に人気? リスナーに寄り添う歌詞と歌声を読む
2015年10月にメジャー・デビューを果たしたシンガーソングライターFUKIが、9月21日にフルアルバム『LOVE DIARY』をリリースした。デビューシングルの『キミじゃなきゃ』は、シェネルや平井大を手掛けてきたEIGOをトータルプロデュースに迎え、オリコンミュージックストア初登場1位を記録。2016年2月リリースの”ラブストーリー”をコンセプトにしたアルバム『キミへ ~LOVE SONG COLLECTION~』は、iTunes Store J-POPランキング初登場2位となるなど、デビューから1年経たずして10代を中心に彼女の恋愛ソングが注目を集めている。
デビューシングル『キミじゃなきゃ』のリリース直後には、Twitter上で〈誰より愛しくて恋しくてそばにいてほしくて〉という同曲の歌詞をつぶやくリスナーが続出。恋する若者の純粋な思いを端的に、しかしみずみずしく表現した歌詞は共感を呼び、瞬く間に支持を広げた。FUKIの楽曲はカップルからの支持が厚く、10代に人気の動画共有コミュニティ『MixChannel』で、カップル動画のBGMとして使用されて話題を呼ぶと、カップル専用アプリ『Couples』とのコラボ企画として、アルバム『キミへ〜LOVE SONG COLLECTION〜』の収録曲「LOVE SONG」のリリックビデオを制作。写真を募集して映像と組み合わせ、参加したカップルにとって思い出に残るMVが完成した。また、2月14日に開催した初のタワーレコードインストアライブでも、カップルを中心に150人が集まり、バレンタインデーをさらに特別なものにしている。
恋する人やカップルの共感を呼ぶ要素は、歌詞だけではない。FUKIの歌声には聴き手に寄り添う柔らかな魅力がある。切ない歌詞や曲調と、恋心の機微を伝える歌声が見事に融合し、現代の若者に響く楽曲に仕上がっている。幼少時代にダンスから音楽の道をスタートしたFUKIだが、高校生の頃からライブハウスのステージに立ち、歌唱面でのトレーニングの積み重ねてきた。安室奈美恵や加藤ミリヤなどの和製R&Bのカバーをよく歌っていたというルーツを持ち、スイング感のあるリズムとビートに乗せて、感情を表現する技術にも長けている。「うたスキマーケティングオンライン capio統計データ」によるカラオケデータ分析では、10代から20代の多くの女性が歌唱していることが明らかになった。これは、リスナーが歌詞にだけではなく、彼女の歌う姿にまで共感し、楽曲に親しんでいることを証明するデータだと言えるだろう。