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メレンゲ クボケンジがクラウドファンディングを選択した理由「歌モノのシーンを衰退させたくない」

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 瑞々しいメロディと、文学的な歌詞により人気を集める2人組ギターロック・バンド、メレンゲのクボケンジ(ヴォーカル&ギター)が、自身のレーベル「BoGen Records」を立ち上げ、ソロ名義の音源をリリースすべくクラウドファンディングに挑戦している。おととし10月に通算4枚目のフルアルバム『CAMPFIRE』をリリースしたメレンゲは、翌年ツアーを敢行。その直後にヤマザキタケシ(ドラムス)が脱退し、現在は元GOING UNDER GROUNDの河野丈洋をサポートドラムに迎え、クボとタケシタツヨシ(ベース)の2人体制となった。そんな中、彼の一連の動きはどのような心境によるものなのだろうか。

 クラウドファンディングといえば、ここ最近は音速ラインやAwesome City Club、マイカ・ルブテといった若手ミュージシャンも利用し、かなり認知されてきてはいる。が、まだまだ偏見も多く二の足を踏んでいるミュージシャンも少なくない。そこで今回、クボにクラウドファンディングのメリットや醍醐味などを聞いてみた。(黒田隆憲)

本当に作りたいものを、作りたいタイミングで出したい

ーーまずは、クボさんが自主レーベルを立ちあげ、クラウドファンディングを始めるに至った経緯を教えてください。

クボケンジ(以下、クボ):今から1年半ほど前に、移籍後初のフルアルバム「CAMPFIRE」をリリースして、その翌年にはツアーを行なったんです。その頃はバンドとしても盛り上がってはいたんですけど、ドラムのヤマザキタケシが急に脱退することになって。

ーーその理由は?

クボ:13年やってきて、自分の世界観とか音楽性も変化してきて、ちょっとずつお互いにズレが生じ始めたという感じかな。だから、何か強烈なトピックがあって喧嘩別れしたとか、そういうことでもないんですよ。最初は僕が口火を切って、ちょっと険悪なムードが続き、落ち着いたところで話し合いをした結果、という感じでした。

ーーそうだったんですね。

クボ:で、「どうしよう?」ってなって。それとは別に、去年あたりからクリスマスソングを作ってみたいなって思っていたんですよ。僕、今まで「桜ソング」とか「卒業ソング」みたいな、行事ごとを歌った曲なんて作ったことがなくて(笑)。どちらかといえば、したくないタイプだったのに。

ーーそれがまたどうしてクリスマスソングを?

クボ:なんか、街のイルミネーションをはじめ浮かれている感じとか見ているうちに、「美しいものだなあ」と思うようになって。これで1曲作れそうだなと。それでデモを作ってみたら、バンドでやるよりもソロでやった方がいいのかもしれないと思い始めて。それで、ソロ名義でリリースしてみることにしました。。

ーー自分たちでレーベルを立ち上げようと思った理由は?

クボ:僕らも移籍もしたし、長くメジャーでもやらせてもらってきて、でもそれは楽しいことばかりではなくて、色々縛りもあったりして。10数年そういうところに在籍して作ってきたので、本当に作りたいものを、作りたいタイミングで出せたらなっていう思いがあったんです。そのぶん、責任とかも自分で被りたいなと。

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ーー例えば、昨年はART-SCHOOLの木下理樹くんがWarszawaを立ち上げたり、THE NOVEMBERSの小林祐介さんはMERZを運営していたり、そういう同世代のミュージシャンからの影響もありますか?

クボ:それも少しはあります。リッキーとはよく酒を飲みながら話すんですけど、彼に限らず内情は結構厳しいんですよね。おそらくリスナーは「自由度が高い」と思われるかもしれないですけど、本音で話してみると大変なことの方が多くて。音楽が細分化されているから、一つのバンドに人がたくさん集まるっていうことじゃなくなっているので。それぞれが自立して回していくというのはすごく大変なんです。レコーディングってすごいお金がかかるんですよ。例えば1000円のシングルを1000枚売ったとして、100万円にしかならない。

ーーそこからスタジオ代や人件費、その他諸々を引いていくと….。

クボ:メンバーに入ってくるお金は微々たるものです。今、たとえ話で1000枚と言いましたけど、それってすごく多い方なんですよ。でもそれくらいにしかならない。じゃあ、それ以内の予算でレコーディングしようと思ったら、物理的に無理なんです。家で作ったデモを、メールで配るくらいの感じじゃないと(笑)。

ーーマーチャンダイジングを含め、音源以外の売り上げを考えないといけないわけですよね。レーベルの、今後の展望についてはどのように考えていますか?

クボ:今は目の前のことをやるしかないですが、ソロもメレンゲも来年、再来年と続けていきたいです。今、真っ当な歌モノが苦戦気味というか、ちょっとギミックがあったりする音楽の方が受け入れられているじゃないですか。僕はずっと「ギターロック」というスタイルでやってきて、やはり歌詞とメロディがすごく大事なんですよ。なので、同じように歌を大事にしているバンドを見つけて、育てていけたらいいなとも思っています。

ーーとにかく、まずはクリスマスソングを「すぐにでも出したい」という気持ちが強くあるわけですね。

クボ:クリスマスソングって「魔法」が数週間しかないんですよ。年が明けたらそれで終わりっていう。なので「作りたい」と思っても、時期が伸びるとさらに1年後のプランニングになってしまう。そうすると、そのとき自分のテンションがどんな状態か分からないじゃないですか。普通の曲だったら、もしかしたらもう少し時間をかけて根回ししていたかもしれないですね。

ーー逆に言えば、「クリスマスソングを作りたい」って思いがあったからこそ、クボさんは大きく動けたのかもしれないですよね。

クボ:そうですね、それは確かにそう思います。

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